Archives for posts tagged ‘版画’

平塚の「川瀬巴水展」

先日閉幕した展覧会を取り上げるのは、自分の本意ではありませんが、展覧会の詳しい感想を述べたくてアップすることにしました。画家川瀬巴水のまとまった仕事を見たのは、私にとって初めてではないかと思います。川瀬巴水は1883年( […]

版画集「予感の帝国」について

先日、大きな企画展を見に行った東京都現代美術館で、「Tokyo Contemporary Art Award2019-2021受賞記念展」が開催されていて、風間サチコ氏の代表作となる巨大な木版画が数多く展示されていました […]

版画による「若林奮」展

故人である若林奮氏は、展覧会の説明によると、鉄を中心に、銅や鉛、硫黄、木などの素材を使って、地形や植物、気象、大気の状態などへの深い自然観と、空間や時間への強い意識にもとづく思索的な作品を制作したことで知られるアーティス […]

町田の「西洋の木版画」展

先日、東京都町田市にある町田市立国際版画美術館で開催中の「西洋の木版画」展に行ってきました。私は学生時代に彫刻を専攻しながら、興味関心をもって試してきた技法が木版画でした。ドイツ表現派のざっくりとした力強く象徴的な世界が […]

週末 秋が深まる11月に…

今日から11月になりました。秋が深まり、朝晩は肌寒い日々が続いています。朝早くから工房に篭り、17点目の陶彫成形に挑んでいました。昼を少々回ったところで成形が終わり、彫り込み加飾は次回にすることにしました。以前作った陶彫 […]

横浜の「バンクシー展」

横浜駅に隣接するアソビルで開催されているバンクシーの全貌を示す展覧会は「バンクシー展 天才か反逆者か」というタイトルがつけられています。路上に描かれたバンクシー作品はすぐ消されてしまうだけに、世界中のコレクターから作品を […]

砂マチエール大量搬入

今日、東京神田の文房堂から砂マチエール200mlを18本、硬化剤200mlを30本、合計48本が職場に届きました。自宅は不在にしていることが多いので職場に搬入してもらいました。今日は家内が自宅にいたようですが、職場の方が […]

「浮世絵春画と性器崇拝」について

「あそぶ神仏」(辻惟雄著 ちくま学芸文庫)のⅢ「浮世絵春画と性器崇拝」についてのまとめを行います。私が浮世絵春画に出会ったのは20代の頃、ヨーロッパに住んでいた時代でした。ウィーンの芸術書を扱う書店に、ドイツ語版の浮世絵 […]

週末 久しぶりに東京の美術館に…

大学の先輩で銅版画をやっている人が、東京銀座で個展をやっています。その人の娘さんが漆工芸をやっていて、彼女も東京銀座の別の画廊で個展をやっています。親子とも同じ時期に個展を開催しているので、週末を利用して見てきました。大 […]

横浜の「北斎展」

横浜のそごう美術館で「北斎展」が開催されています。私は外会議で関内に行った昨日の夕方、「北斎展」を見てきました。関内ホールの帰り道になる横浜駅に美術館があるというのは大変都合が良く、ちょっと得をした気分になります。そごう […]

東京駅の「メスキータ展」

サミュエル・イェスルン・デ・メスキータは20世紀初頭に活躍したオランダの画家・版画家・デザイナーで、ユダヤ人だったためにナチスドイツの強制収容所で家族諸共処刑されています。彼がオランダの美術学校で教壇に立っていた折、在籍 […]

横浜の「イサム・ノグチと長谷川三郎」展

昨日、会議の合間を縫って、横浜の桜木町にある横浜美術館で開催中の「イサム・ノグチと長谷川三郎」展を見てきました。本展は「変わるものと変わらざるもの」という副題がついていて、日本古来の伝統文化とモダンを現代的感覚で繋いだ2 […]

横浜の「駒井哲郎展」

昨日、横浜のみなとみらい地区にある横浜美術館で開催している「駒井哲郎展」に行ってきました。副題を「煌めく紙上の宇宙」としていて、銅版画のパイオニア的存在だった故駒井哲郎の大掛かりな回顧展になっていました。展示は駒井作品に […]

週末 制作&横浜の展覧会

週末になると、どこかの美術館に行くという習慣が先月から続いています。陶彫制作も余裕がない中で、何とかやり繰りしている按配ですが、今日も夕方美術館に行ってきました。鑑賞があるからといって制作工程はそのまま続行しています。朝 […]

重層空間という考え方

ドイツの版画家ヨルク・シュマイサーの連作版画に、異なるイメージを描いた版を重ねて、ひとつの画面を構成している作品があります。それを見ることで、私たちはあらゆる場面を同時に把握し、イメージの遠近感さえも感受することが出来る […]

シュマイサーの連作版画について

「私の作品を流れている主題は、変化ー人間に、物あるいは風景に、あるいは私に繰り返し起こった変化だ。版画がもつ可能性のうちで、最も魅力的なもののひとつがステートだ:版を刷り、さらに手を加え、変更し、また刷ってまた変える…。 […]

町田の「ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅」展

ドイツの版画家ヨルク・シュマイサーの作品を知ったのは、今を遡ること40年も前になります。シュマイサーが暫く京都に滞在していたこと、奥様が日本人で、私が学生だった頃は、オーストラリアに行ってしまったことが情報として入ってい […]

茅ヶ崎の「小原古邨展」

先日、茅ヶ崎市美術館で開催されている「小原古邨展」に行ってきました。日本美術史の中で埋没していた芸術家が、これからさらに発見されて脚光を浴びることがあるのでしょうか。江戸時代の絵師伊藤若冲や奄美を描いた日本画家田中一村も […]

週末 版画による2つの美術展

昨夜から私の職場では職員研修として湯河原に来ていました。一晩ゆっくりお互いの仕事を振り返る機会を、私は大切にしています。夜が更けるまでお喋りが尽きない職員たちの雰囲気を、今後も継続していくのも私の役割かもしれません。私は […]

長寿の芸術家2人を惜しむ

今朝、職場に届いていた新聞によって、版画家・彫刻家の浜田知明氏と石彫家の流政之氏が亡くなったことを知りました。お会いしたことはなかったのですが、2人とも展覧会があれば必ず見に行っていた注目の芸術家でした。浜田知明氏は10 […]

2点の印章を彫る

私は予てより印章が持つ小宇宙に惹かれています。日本画や書を見る時に必ず印章にも注目しています。画家が創作する印章はとりわけ面白くて、小さな場面に個性が溢れんばかりです。単純だからこそ奥が深いのかもしれません。私も印章を作 […]

「美術家の健康と安全」について

今年の7月に日本美術家連盟から「美術家の健康と安全」という冊子が送られてきました。これは造形美術の分野別ハンドブックで、画材や彫刻素材、溶剤や接着剤などが細かく記載されていて、とても便利です。とりわけ危険有害性物質や有機 […]

自己満足の捉え方

自己満足をマイナス要素として捉えてはいけない、自己満足があるからこそ人は生きていけるのだと京都に住む版画家の友人から言われたことがあります。確かに自己満足というコトバを使う場面では、客観的評価ではなく、周囲から見れば本人 […]

東京両国の「北斎の帰還」展

先日、東京両国にある「すみだ北斎美術館」に行ってきました。目的はTVで放映された「須佐之男命厄神退治之図」の復元された絵をこの眼で見たかったことでしたが、美術館が企画した「北斎の帰還」展にも眼が奪われました。帰還とはどう […]

橫浜の「エッシャー展」

既に終わってしまった展覧会の感想を述べるのは恐縮ですが、旧知の作品が多い有名な版画家の印象を改めて書きたいと思いました。オランダ人版画家M・C・エッシャーの作品を、私がいつ頃知ったか今も鮮烈に覚えています。私は高校3年生 […]

三連休③ 美術館巡り&ビール祭り

三連休の最終日になりました。今日は工房へは行かず、家内と東京と横浜の美術館を巡ることにしました。師匠の池田宗弘先生は自由美術協会の会員で、例年この時期に先生から招待状が届きます。そこで今日が自由美術展の最終日であるため、 […]

カサット絵画におけるジャポニズム

19世紀から20世紀にかけてパリで印象派が活気を呈していた時代に、日本の浮世絵等がヨーロッパで紹介され、その画面の構成や色彩の象徴化に感銘を受けた芸術家が多かったのは美術史が示すところです。横浜美術館で開催中の「メアリー […]

大型版画の思い出

横須賀美術館で開催されている「嶋田しづ・磯見輝夫展」を見てきて、とりわけ大型木版画を制作していた磯見輝夫氏の作品に、自分の若かりし頃の思い出を重ねてしまうことがあります。20代の頃、自分は大学で具象彫塑を学んでいて、その […]

「嶋田しづ・磯見輝夫展」雑感

先日、横須賀美術館で開催されている「嶋田しづ・磯見輝夫展」に行ってきました。現存する画家・版画家の旧作から新作まで含めた大がかりな展示は、その作家の歩んだ道を達観できる良い機会でした。画家嶋田しづ氏は長年パリで暮らし、西 […]

三連休 気分転換の制作&美術館

三連休の中日です。今日は昨日のような疲労はなく、早朝から家内と菩提寺に出かけました。朝7時に墓参りをするのは初めてでしたが、清々しい空気に触れて心が軽やかになりました。9時に2人の若いスタッフが工房にやってきました。制作 […]

東京駅の「月映」展

「月映 つくはえ」は1914年(大正3年)9月から翌年の11月まで刊行された自刻木版画と詩による作品集です。この詩誌を作ったのは田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎の3人の画学生でした。全7号まで発刊されましたが、田中の夭折に […]