週末 久しぶりに東京の美術館に…

大学の先輩で銅版画をやっている人が、東京銀座で個展をやっています。その人の娘さんが漆工芸をやっていて、彼女も東京銀座の別の画廊で個展をやっています。親子とも同じ時期に個展を開催しているので、週末を利用して見てきました。大学の先輩はエッチング技法を使い、木々の伸びていく細密な枝の描写や木肌の表情、また植物が縦横に絡まる世界をモノクロで表現している人です。今回の新作は植物的な世界に加え、年輪とも取れる円環が配置され、濃密で充実した世界が現出していました。エッチングの深みと拡張する可能性を、私はこの先輩から教わったと思っています。その人の娘さんは大学を出た後、岡山県に行き、そこで漆工芸をやっていて、今回が東京での初めての個展になるようです。乾漆技法で作られた身近な動物の数々は、まさに写実性に富んだ超絶技巧とも言える立体で、部分的に漆が塗られていました。岡山県ではワイン農家を手伝いながら漆工芸をやっているそうで、彼女の今後の活躍に期待したいところです。今日は私は朝から東京に来ていて、美術の鑑賞に勤しんでいました。東京上野にある上野の森美術館にも足を運びました。ここで「ゴッホ展」を開催しているので、先輩の個展に行くついでに見てきましたが、日本人はゴッホが大好きなようで大変混雑していました。フィンセント・ファン・ゴッホはオランダ生まれで後期印象派を代表する画家です。37年の短い生涯にエピソードも多く映画化もされています。私は美術の知識がなかった中学校1年生の時に、ゴッホの存在を知りました。美術の授業で校舎内外の風景を水彩で描く課題があって、私は中学校の正門近くにあった樹木を絵の具を何度も塗り重ねて描いていました。そこに美術科の女性教師が巡回してきて、「ゴッホのようね。」と言われました。この時初めてゴッホという画家を知ったのでした。当時はネットもなく、中学校入学祝に母が買ってくれた百科事典やら学校の図書館でゴッホのことを調べました。ゴッホは私にとって最もポピュラーな画家になったのでした。「ゴッホ展」についての詳しい感想は後日に改めます。東京から自宅に帰って、夕方工房に行きました。彫り込み加飾を2時間ほどやって、昨日窯入れしておいた作品を確認し、窯のスイッチを入れました。これは水曜日に窯から出す予定です。

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