Archives for the Month of 5月, 2013

「田中恭吉 ひそめるもの」読後感

「田中恭吉 ひそめるもの」(和歌山県立近代美術館企画・監修 玲風書房)を読み終えました。あまりにも短い23年の生涯を疾風の如く走り抜けた画家田中恭吉は、結果的には遺作集となった萩原朔太郎の詩集「月に吠える」の挿画で世に知 […]

鬼気迫る「牧野邦夫展」

練馬区美術館は自分の住んでいる横浜から遠い場所にありますが、面白い企画展が多いので時々出かけています。現在開催中の「牧野邦夫展」はTV番組で知りましたが、その描写力に興味を持ちました。先日、同館に出かけていき、オリジナル […]

TVに見入った「惜櫟荘」修復

日曜日の夜、BS朝日で「惜櫟荘ものがたり」を放映していました。岩波書店の創始者が自ら拘りをもって建てた惜櫟荘。僅か30坪の小さな別荘ですが、使われている素材は贅沢なものばかり。しかも目立たないところに贅を尽くしていて、建 […]

自画自刻自摺の版画

彫刻を学んでいた頃、自分は版画に興味を持ちました。ドイツ表現主義の影響で、キルヒナーやバルラッハ等が作った木版画の強烈なイメージが頭から離れなかったのです。それは日本古来の錦絵とはまるで異なる世界でした。錦絵は絵師、彫師 […]

ドイツ在住の旧友来たる

自分は20代の頃、オーストリアの首都ウィーンに住んでいました。同地の国立美術アカデミーに通って、最初は版画科に、次に塑造科に移ってレリーフを学んでいました。今思えば素晴らしい環境に身を置いていたことに幸せを感じますが、当 […]

週末 新作の成形・加飾

今日は朝から工房にいました。新作の成形に手を入れた後、表面に彫り込み加飾を行いました。陶土がちょうどいい乾燥具合になっていたので、ヘラや掻き出しベラを使って、矩形の彫り込みを施しました。身体中全てが陶彫に集中していくのは […]

週末 風薫る工房にて

沖縄が梅雨入りしましたが、横浜はこのところ爽やかな日が続いております。木々の新緑が目に眩しく制作日和の季節を迎えています。相原工房の風薫る空間で、新作を始めることができる喜びに浸っています。昨夜はカメラマンが来て、2回目 […]

ミュシャ「スラブ叙事詩」習作

もう会期は過ぎてしまいましたが、今月16日に訪れた六本木ヒルズ森アーツセンターでの「ミュシャ展」。大変混雑していてチェコの画家アルフォンヌ・ミュシャの知名度の高さを窺い知ることが出来ました。展示されていたのは、まずミュシ […]

「田中恭吉 ひそめるもの」を読み始める

「田中恭吉 ひそめるもの」(和歌山県立近代美術館企画・監修 玲風書房)を読み始めました。田中恭吉は明治時代から大正時代にかけて生きた夭折の画家です。23歳で他界した田中恭吉は、知る人ぞ知る画家ですが、私は20代の頃から存 […]

「病める舞姫」読後感

「病める舞姫」(土方巽著 白水社)を読み終えました。秋田県の半農の蕎麦屋に11番目の子として生まれた土方巽は、幼児の頃、農繁期には籠に入れられて田圃の畔に朝から晩まで置いておかれたようです。そうした東北での成育歴と生来の […]

楽しかった「空想の建築」展

このところ美術展によく出かけています。感想の機会を改めて持つと断言しているので、最近出かけた順番に展覧会の感想をアップしていきます。まず、連休中に出かけた町田市立国際版画美術館。同館で開催していた「空想の建築」展は自分に […]

アングラ演劇に魅せられた頃

土方巽の書物「病める舞姫」(土方巽著 白水社)を読んでいて、自分は暗黒舞踊を観たことがないにも関わらず、20代の頃によく観ていたアングラ演劇のことが懐かしく思い出されてきました。どうしてアングラ演劇が好きになったのか自分 […]

週末 具象・象徴絵画を堪能

今日は朝から家内と東京の美術館巡りを予定していましたが、昨日新作の陶彫部品の成形が終わらなかったため、朝6時に工房に行って成形をやっていました。何とか目途が立ち、9時半に家内と東京に出かけました。横浜駅から湘南新宿ライン […]

週末 新作の成形開始

相原工房に関わっている若いスタッフが今日から展覧会を開催するので、朝早くから工房で額装をしていました。搬入準備が出来たところでスタッフを最寄りの駅まで車で送りました。スタッフの展覧会には明日行く予定です。今日から自分は新 […]

2013個展打ち合わせ

昨日のNOTE(ブログ)に個展の打ち合わせを掲載しようと思っていたのですが、中島修さんの急逝をギャラリーせいほうの田中さんから聞いて、取り急ぎ追悼文を掲載させていただいた次第です。昨日は午後から職場で年休をいただき、東京 […]

追悼 中島修 様

オーストリア在住の石彫家中島修さんが4月4日に急逝しました。自分にとって中島さんはウィーン時代の師匠でした。もうひとりの師匠池田宗弘先生と中島さんは学校で共に彫刻を学びあった仲間で、この2人の巨大な先輩がいてくれたおかげ […]

2013図録打ち合わせ

昨夜、今年の個展のための図録の打ち合わせをカメラマンと持ちました。今月6日に撮影した画像が一部出来上がってきたので、図録雛型のレイアウトに従って画像を選びました。「発掘~地殻~」「発掘~連築~」の全体と部分写真、表紙、セ […]

土方巽「病める舞姫」を読み始める

今は亡き舞踊家土方巽の舞台が見られなかったのが、自分にとっては返す返すも残念でなりません。とは言え自分が表現活動に目覚めた時には、土方巽は自らの出演を辞め、振り付けや演出をやっていました。自分は20代初めの頃、「天井桟敷 […]

「コーネルの箱」読後感

このところアメリカ人造形作家ジョセフ・コーネルに関する書籍をよく読んでいて、コーネル・ワールドに魅了されています。図版が多く掲載された「コーネルの箱」(チャールズ・シミック著 柴田元幸訳 文藝春秋)は作品解説集と思って読 […]

週末 土練り開始

雨模様だった昨日と打って変わり、今日は晴天になり、気温も上昇しました。本格的に新作へ向けて準備段階に入りました。自分は陶彫と木彫を併せた表現をすることが多く、窯入れをしなければ作品にならない陶彫を初めに手がけ、次に自分次 […]

週末 「地殻」修整&新作への第一歩

木彫土台のひとつが野外撮影の際に風で倒れ、多少の修整をしなければならなくなりました。後輩からラッシングベルトを借りて午前中に接着固定をしました。破損個所が最少で良かったと思っています。午後は新作への第一歩を踏み出しました […]

5月RECORDは「響」

ポストカード大の平面作品RECORDは文字通り「記録」する目的で、一日1点の作品を作り続けています。7年目を迎え、作品数は2000点を超えています。日記と言うより現在はイメージの蓄積を目標としているので、その日の気分に左 […]

締め切りの考え方

提出期限のある仕事に追われ、何をやるにも時間の制約に縛られている現状を思うと、それが労働であれば仕方がないと割り切れますが、創作活動ともなれば、締め切りがあることがいいことなのか悪いことなのかわからなくなります。公務員と […]

「コーネルの箱」を読み始める

「コーネルの箱」(チャールズ・シミック著 柴田元幸訳 文藝春秋)を読み始めました。先日読み終えたジョセフ・コーネルの伝記に引き続いて、自分はまだコーネル・ワールドに浸りたい理由で本書を選びました。本書は図版中心の所謂作品 […]

「J・コーネル 箱の中のユートピア」読後感

「ジョセフ・コーネル 箱の中のユートピア」(デボラ・ソロモン著 林寿美・太田泰人・近藤学訳 白水社)を連休中に読み終えました。本書は独特な世界観を持つアメリカ人芸術家の伝記ですが、「箱の中のユートピア」という副題がついて […]

四連休 図録撮影の日

ゴールデンウィーク後半四連休の最終日となりました。今日は随分前から予定していた図録の撮影日です。毎年この時期に個展のための図録を作ります。昨晩レイアウトを考え、今日の撮影に臨みました。手伝いに来てくれた若いスタッフは男性 […]

四連休 撮影前日のあれこれ

今日は朝から工房にいました。木彫による6点のボックスを連結し、三双屏風に仕立てました。ここにそれぞれ陶彫部品をボルトナットで取り付けます。ボルトが入る穴を数えたら、ボルトナットが足りないことが判明し、慌てて工具店に買いに […]

四連休 益子・笠間へ…

毎年の恒例行事になっている栃木県益子の陶器市と茨城県笠間の陶炎祭の見物。親友が笠間で陶芸を始めて何年くらいになるでしょうか…。自分たちが彼の地に行き始めたのは、親友がデザイナーから陶芸家に転身するずっと前からなのです。親 […]

四連休 「地殻」誕生の日

今日からゴールデンウィーク後半の四連休です。今日は6日の図録撮影のための準備と作品の最終チェックに追われた一日でした。陶彫と彩色した木彫の色彩的調和と対峙、形態の結合と断絶、相反する要素が大きな世界観を形成してくれること […]

新作は崩れた塔

先月の制作追い込みの大変な時に次なる作品のイメージが浮かびました。これはいつものことで気持ちが追い詰められている時ほど発想が豊かになるのかもしれません。今回は中世のフランドルの画家P・ブリューゲル作「バベルの塔」が発想の […]

新作のイメージは5月より…

5月になりました。3日からゴールデンウィークの後半四連休が始まり、4日には毎年恒例になった益子・笠間へ友達に会いに行きます。6日には個展図録のための撮影会があります。今年夏に東京銀座で発表する作品がこの日をもって完成する […]