Archives for the Month of 10月, 2018

秋めいた10月を振り返る

10月の最終日を迎えました。秋が深まって紅葉が見られるようになりました。あれほど暑かった夏も過ぎ、今では朝晩冷え込んできて季節の変わり目に暫し佇みながら、秋めいた10月を振り返っています。今月の陶彫制作は順調でした。4回 […]

重層空間という考え方

ドイツの版画家ヨルク・シュマイサーの連作版画に、異なるイメージを描いた版を重ねて、ひとつの画面を構成している作品があります。それを見ることで、私たちはあらゆる場面を同時に把握し、イメージの遠近感さえも感受することが出来る […]

AI絵画を巡る雑感

今朝の朝日新聞の「天声人語」は、人工頭脳(AI)が肖像画を描き、その作品が米ニューヨークの競売で4800万円で落札されたことを記事にしておりました。AIがついにここまできたかと思い、どんな絵画なのかネットで調べてみると、 […]

週末 RECORDの撮影日

1年間で1回だけRECORDをカメラマンに頼んで撮影していただいています。昨年の10月から始まり、今年の9月で締め括る1年間365点分のRECORDの撮影です。撮影は照明や角度を決めて、1点ずつ丁寧にやっていただいていま […]

週末 美大の芸祭を訪ねて…

各美術系の大学が学園祭、美大では芸祭と呼んでいますが、開催する時期になりました。工房に出入りしている美大生がいて、彼女が在籍する女子美術大学の芸祭に行ってきました。これから美術系の大学の進学を考えている3人の女子たちも連 […]

HPのGalleryに「発掘~表層~」アップ

この度、ホームページのGalleryにアップさせていただいた「発掘~表層~」は、当初彫刻的な発想はなく、絵画として制作しようと考えていた作品でした。途中から床置きの彫刻に切り替えたのには理由があります。その頃、自分の中で […]

シュマイサーの連作版画について

「私の作品を流れている主題は、変化ー人間に、物あるいは風景に、あるいは私に繰り返し起こった変化だ。版画がもつ可能性のうちで、最も魅力的なもののひとつがステートだ:版を刷り、さらに手を加え、変更し、また刷ってまた変える…。 […]

町田の「ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅」展

ドイツの版画家ヨルク・シュマイサーの作品を知ったのは、今を遡ること40年も前になります。シュマイサーが暫く京都に滞在していたこと、奥様が日本人で、私が学生だった頃は、オーストラリアに行ってしまったことが情報として入ってい […]

某日の新聞の小欄より

自宅のテーブルに置いてあった朝日新聞の小欄「折々のことば」に気になった記事がありました。短いので全文を引用します。「味で見る人の評には、要を尽くしている割合に案外聴くべき所が少ないが、感じで敲かれるとどこか痛く身に応える […]

茅ヶ崎の「小原古邨展」

先日、茅ヶ崎市美術館で開催されている「小原古邨展」に行ってきました。日本美術史の中で埋没していた芸術家が、これからさらに発見されて脚光を浴びることがあるのでしょうか。江戸時代の絵師伊藤若冲や奄美を描いた日本画家田中一村も […]

週末 疲労を抱えた制作

週末の日曜日となればウィークディの疲労が取れて、思う存分制作に入るところですが、今日は違いました。金曜日の夜から職場で研修旅行に出かけ、昨日は湯河原から帰って来た後、時間を置かずに神奈川県茅ヶ崎市や東京都町田市の美術館に […]

週末 版画による2つの美術展

昨夜から私の職場では職員研修として湯河原に来ていました。一晩ゆっくりお互いの仕事を振り返る機会を、私は大切にしています。夜が更けるまでお喋りが尽きない職員たちの雰囲気を、今後も継続していくのも私の役割かもしれません。私は […]

「つくる」という意味

創作行為は人の持つあらゆる能力を最大限に活用するものだという考えが私にはあります。「つくる」というコトバを漢字にすると「作る」と「造る」と「創る」の3つの漢字が当てはまりますが、いずれも多少意味が異なります。一般的には「 […]

「プロジェクション・マッピング2018」実施

今日、職場で文化を中心に据えたイベントがありました。毎年このイベントのオープニングでは、職場のチームが制作したプロジェクション・マッピングを流しています。今年で3年目になります。私の職種では市内でのプロジェクション・マッ […]

六本木の「京都・醍醐寺」展

先日、東京六本木にあるサントリー美術館で開催されている「京都・醍醐寺」展に行ってきました。副題を「真言密教の宇宙」としてあって、そうであれば弘法大師空海の流れを汲む寺院であることは理解できました。開創したのは聖宝尊師で、 […]

HPのGalleryに「発掘~環景~」アップ

「発掘~環景~」は2016年に制作した陶彫による集合彫刻で、個展が始まるギリギリまで窯入れをしていて、かなり焦っていた記憶が残る作品です。陶彫部品一つひとつが大きくて、窯にはひとつずつしか入らなかったのが、時間に追われた […]

「第二の試み(頂点に立つ)」を見て…

彫刻家池田宗弘先生は、私の大学時代の師匠で彫刻の面白さを教えてくれた人です。もう40年も前のことですが、学生だった私は東京都美術館で池田先生の真鍮直付けによる作品を見て、感動を覚えたことを今でも記憶しています。長野県麻績 […]

週末 制作&東京の美術館へ

今日は週末の制作としてノルマを果たしてから東京の美術館へ行こうと決めていました。これはかなり厳しい制作時間になりましたが、何とか計画通りに遂行しました。早朝から工房に出かけ、窯を開けました。窯内の温度を冷ますのに多少時間 […]

週末 陶彫制作の継続

制作サイクルが回り出すと、無我夢中になれる瞬間があって、週末の制作が楽しみになります。新作の集合彫刻は2つの塔が並列するイメージでやっていて、現在は床に接する1段目の陶彫部品が出来上がっています。先週から2段目に取り掛か […]

「線」について

「見えないものを見る カンディンスキー論」(ミシェル・アンリ著 青木研二訳 法政大学出版局)の中で、昨日は「点」について取り上げました。カンディンスキーの有名な著作である「点・線・面」の順番から言えば、今日は「線」を取り […]

「点」について

「見えないものを見る カンディンスキー論」(ミシェル・アンリ著 青木研二訳 法政大学出版局)を昨日に続いて取り上げます。画家カンディンスキーは抽象絵画の創始者であるとともに、当時バウハウスで講義した抽象芸術の理論が有名で […]

「絵画性の解明」について

職場の私の部屋に置いてあるフランスの現象学者の書籍「見えないものを見る カンディンスキー論」(ミシェル・アンリ著 青木研二訳 法政大学出版局)を久しぶりに手に取りました。現在、フッサールの現象学に挑んでいる自分にとって、 […]

人生の岐路を思う

自分のことは好きか嫌いか、単純な問いかけですが、答えは単純ではなさそうです。服を脱ぐように肉体を脱ぐという新聞掲載の詩人のコトバがありました。もしそうであるならば、肉体と魂を別物として考えると、私の自分に対する嫌悪感は多 […]

三連休 手間取った陶彫部品

三連休の最終日です。一昨日から新作の2段目に当たる陶彫部品を作り始めています。昨日成形を終えたので、今日は彫り込み加飾を行いました。2段目はやや小さめの陶彫部品になっていますが、なかなか手間がかかってしまい、3時間近く作 […]

三連休 「かながわボッチャ2018」

三連休の中日です。今日は私の職場の希望者と、別の職場の希望者が連携してチームを作り、表題にある 「かながわボッチャ2018」という大会に出場してきました。今回連携した別の職場には肢体不自由の障がい者が多くいて、ボッチャが […]

三連休 2段目の陶彫制作開始

10月に入って最初の週末は「体育の日」を含む三連休です。職場関係で体育的イベントがあるため、私は三連休全てを創作活動に費やすことが出来ず、何とか時間をやり繰りしながら制作に没頭したいと思っています。初日である今日は新作の […]

映画「運命は踊る」雑感

常連になっている横浜のミニシアターのレイトショー。これは勤務時間終了から上映が始まるので、自分にとっては好都合な鑑賞体験になっています。ウィークディの夜に出かける映画館はストレス解消にもなって、仕事でさまざまなことがあっ […]

10月RECORDは「象」

「象」は動物のゾウではなく、象形や象徴を意味する文字として選びました。最初にイメージしたのは碑文のような刻印された文字で、読解出来なくても、そこに不思議な雰囲気が醸し出される世界でした。文明の曙期で人類には具体的なカタチ […]

トラ吉のアクション

我が家で飼っている猫のトラ吉は、もともと野良猫で亡父の残した植木畑に捨てられていました。2010年4月26日のNOTE(ブログ)に「植木畑に捨て猫あり」という記載があるので、それから8年が経ってトラ吉は大きく育ちました。 […]

「感覚内容の構成」について

「経験の構造 フッサール現象学の新しい全体像」(貫茂人著 勁草書房)の第四章「感覚内容の構成」について、気になった箇所を引用いたします。本書は難解な箇所が多く、章をまとめることは至難の業で、その都度述べられている主旨をチ […]

台風一過 今月の制作目標

10月になりました。昨晩から大型台風に見舞われ、私は一晩中暴風の音に悩まされて眠れませんでした。深夜2時過ぎに一時停電になり、私は寝床から飛び起きて、懐中電灯を持って荒れ狂う風の中を工房に行きました。畑の中で遭難したらど […]