ミュシャ「スラブ叙事詩」習作

もう会期は過ぎてしまいましたが、今月16日に訪れた六本木ヒルズ森アーツセンターでの「ミュシャ展」。大変混雑していてチェコの画家アルフォンヌ・ミュシャの知名度の高さを窺い知ることが出来ました。展示されていたのは、まずミュシャの知名度を一気に押し上げた有名なポスターがありました。その他にも絵画、デッサン、装飾のデザイン等多義にわたる作品で構成され、充実した内容で楽しめました。ミュシャ最大の代表作「スラブ叙事詩」は当然その重要さ巨大さ故に来日していませんでしたが、幸いにも小さな習作を観ることが出来ました。自分は若い頃、滞欧中にチェコを訪れたことがあります。その時何故「スラブ叙事詩」を観なかったのか残念でなりません。優雅なポスターで一躍売れっ子画家になったミュシャが辿りついた自国の民族の存亡と誇り。芸術家としての存在意義をミュシャはここに見出し、壮大なスケールで紡ぐ歴史や宗教を描いていきました。「スラブ叙事詩」は習作を見てもその世界観が伝わってきます。またチェコに行く機会があれば是非観てきたい作品です。

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