Archives for posts tagged ‘音楽’

アポルロン的魂とファウスト的魂

「西洋の没落」(O.シュペングラー著 村松正俊訳 五月書房)を読んでいると、ギリシャ・ローマ文化と西洋文化の相違があらゆる場面で比較されています。簡単に言えば見たままを静的に表し、本書の語彙を使えば彫塑的と言えるギリシャ […]

西洋の没落「音楽と彫塑と」そのⅡ

表題の本書の持つ難解な論理に慣れてきたとは言え、いまだ理解に苦しむ箇所も多々あります。朝の通勤時は比較的頭に入り、夜の帰宅時はボンヤリと目で文面を追うだけになってしまいます。「西洋の没落」(O.シュペングラー著 村松正俊 […]

アフリカの楽器 XYLOPHONE

私の職場の近くにアフリカ雑貨店があります。先日その店でナイジェリアとガーナの仮面を購入しました。その時、家内が店内にあった素朴な木琴に注目し、その音色に憑かれたようです。家内はもともと美大で空間デザインを学んだ人ですが、 […]

横浜黄金町 高架下ライブ

家内の従兄弟で弾き語りをしている人がいます。ギター1本でアコースティックなオリジナル曲を歌っています。彼は主に東京のライブハウスでやっていますが、横浜の下町のカフェで弾き語りをやると言うので聴きに行きました。場所は横浜市 […]

5月の振り返り

昨年のNOTE(ブログ)の5月最終日に1ヶ月を振り返るコメントを書いています。5月は1年間の制作工程において重要な1ヶ月なのです。5月は今年発表する作品の図録の撮影があって、そこで作品に区切りをつけます。つまり撮影日が制 […]

日記から読み解く青年クレー

画家として特異な作風をもつパウル・クレー。その人となりを現在読んでいる「クレーの日記」(P・クレー著 南原実訳 新潮社)から読み解くことができます。まだ第一の日記を読んでいるところなので、子どもから青年に至る成長過程で恋 […]

風邪気味の一日

職場では風邪気味の人が多く、自分も喉に違和感があります。先日まで家内が風邪をひいていました。昨日は家内が胡弓奏者として東京ドームに出かけ、全国各地から集まった祭りに「おわら」の一員として参加してきました。「おわら」は総勢 […]

ウィーンに思いを馳せる日

昨晩NHKのTV番組からウィンナーワルツが流れてきました。恒例のオーストリア国営放送によるニューイヤーコンサートの模様を衛星で伝えていたのでした。1980年から85年までの5年間、自分はウィーンにいました。ウィーン国立美 […]

9月 家内が富山県八尾へ

今朝早く出勤前に家内を最寄り駅まで車で送ってきました。毎年この時季は富山県八尾で「おわら風の盆」が開催されます。家内は富山県出身ではありませんが、胡弓奏者として都心を中心にした演奏活動を行っています。「おわら風の盆」に欠 […]

竹橋の「パウル・クレー展」

パウル・クレーという画家名が新聞の展覧会欄に載っていると、必ず展覧会に行きたくなるという癖が自分についてしまいました。何度クレーの絵画に触れたことか、滞欧生活の頃から考えると数え切れません。クレーは多作だったので、そのつ […]

「下野昇ベストセレクション」

表記は横浜青葉台にあるフィリアホールで開催された声楽家のリサイタルです。下野昇は家内の叔父です。二期会に属して「タンホイザー」や「カルメン」といった数々のオペラに出演してきました。劇団四季の「CATS」にも客演したことが […]

家内の骨折から1年…

昨年の22日は、家内が演奏練習で転んで腕を骨折した日です。会議やそのあとの慰労会で遅く帰宅した自分は、包帯を巻いた腕を肩から吊るしている家内を見て、やれやれと思ったのを思い出します。今日も職場でいろいろな立場の人を招いて […]

「カンディンスキーと青騎士」展

自分にとって注目すべき展覧会です。ブログに何回となく書いているカンディンスキーは、P・クレーやシュルレアリスムの芸術家と共に自分の中に今も生きつづけている画家なのです。年刊誌「青騎士」の翻訳が白水社から刊行されたのを契機 […]

クラシック音楽を聴く機会

20代の頃にオーストリアの首都ウィーンに住んで、リング(環状道路)沿いにある国立歌劇場に毎晩通っていました…と、書くと自分はいかにも文化意識が高く、経済的にも恵まれた、どちらかと言えば鼻持ちならない留学生に見えますが、実 […]

喪中葉書を受け取って…

この時季になると喪中葉書が送られてきます。自分の年齢を鑑みると、本人ではなく、その関係者が多いのですが、たまに親交の厚かった本人であったりすると残念でなりません。自分が世話になった人が亡くなり、喪中葉書を受け取った時の何 […]

家内が富山県八尾へ

家内は胡弓奏者です。幼い頃からバイオリンを習い、成人してから三味線を習い始めました。この2つの異文化楽器がテクニック上で融合し、胡弓に至ったのだと思います。家内の出身は私と同じ神奈川県ですが、毎年この時季に富山県八尾で行 […]

恒例の陶器市・陶炎祭

毎年5月3日に、栃木県益子で行われている陶器市と茨城県笠間で行われている陶炎祭に出かけます。今年もこの時期がやってきて、早朝から横浜を発ち、陶芸の祭りを見てきました。益子や笠間には、かれこれ20年近くも通っていることにな […]

沖縄民謡の夕べ

週末の制作ノルマを早朝5時半から工房で行い、午後時間を空けました。家内の従兄弟たちが集まるというので、自分も招待を受けたのです。手料理を振舞われて、いい気分になっていたところに、従兄弟の一人が沖縄民謡を聴きに行こうと言う […]

ウイーン回想から始まる1年

昨夜、NHK番組からウィンナーワルツが流れてきました。恒例のオーストリア国営放送局が衛星で流している「ウイーン・ニューイヤーコンサート」の模様です。自分は毎年この時期にこの番組をブログで取り上げています。理由は1980年 […]

家内の骨折事故

昨夜遅く居酒屋での2次会から帰ったら、家内が右手を骨折して首から包帯で吊っていました。どうやら演奏の練習に出かけた先で転倒したようです。頭を打たなくてよかったと思いつつ、全治2ヶ月と聞いて、家内はだいぶがっかりしていまし […]

ポリヒムニア・シンガース

ギリシャ神話に登場する9人のミューズのうちの一人で、頌歌を司る女神をポリヒムニアと言うそうです。その女神の名を冠した女声合唱団の一員に、家内の知り合いがいて、この時季に定期演奏会があるので、横浜の菊名カトリック教会に行っ […]

奄美からサンシンが届いた日

昨年の3月26日から28日まで、家内の先祖の墓参りを兼ねて、奄美大島に行きました。嘉徳の青い海は今でも記憶に留まり、片時も忘れることがありません。その奄美で実はサンシン(三味線)を買っていました。本物のニシキヘビの皮を使 […]

勝手なイメージの重複

自分の中では記憶した時代が異なるのに、2つのモノの間に勝手なイメージの重複がある場合があります。たとえば大学時代に西武美術館で見た「エゴン・シーレ展」。展示作品の中に「小さな町」(1912〜13)というシーレの母の故郷で […]

「おわら」の胡弓

中国に二胡という楽器があります。二弦を弓で弾くと物悲しい響きが出る独特な楽器で、この二胡も別称で胡弓と言います。ところが今年の秋に行った富山県八尾の「おわら風の盆」で奏でていた胡弓は中国の二胡とは違う楽器に見えました。家 […]

シュナイダーシームセンの舞台

ギュンター.シュナイダーシームセンは様々なオペラの舞台デザインを手がけた人です。具象的な作風でしたが、スケールが大きく遠近法を巧みに用いた迫力ある舞台でした。カラヤン指揮による壮大なオペラにシュナイダーシームセンの舞台が […]

オペラ盛況の中で

ウィーン国立歌劇場の立ち見席で何度もオペラを観るうち、歌唱の巧みさがわかってきました。観客は正直なもので、実力派歌手が出演するオペラは立ち見席の窓口に長い列ができました。歌劇場を一回り以上の長蛇の列が取り囲んでいる日もあ […]

ワイル「三文オペラ」

初冬の季節になると情緒豊かなウィーンの街並みが寒々と夕暮れていく情景が目に浮かびます。オペラが上演されるのは国立歌劇場ばかりではなく、フォルクスオパーやもっと小さな劇場でも雰囲気に応じた演目がかかります。「三文オペラ」は […]

ムソルグスキー「ボリス.ゴドノフ」

まるでロシアのリアリズム絵画を見ているような舞台。群集の合唱に圧倒され、クレムリン宮殿の豪華な広間の隅々にもリアルを追求した大道具や小道具が置かれ、まさにロシアの歴史に遭遇しているような錯覚に陥ります。オペラ「ボリス.ゴ […]

ビゼー「カルメン」

有名な曲が散りばめられた「カルメン」はオペラ入門としては最高のものだと思います。胸躍るシーンがあると思えば、切ない叙情的なシーンや怪しい人々の楽しく痛快なシーンもあって娯楽に徹した優れたオペラです。いつ観てもあっという間 […]

オペラ初体験.Rシュトラウス

ウィーンで初めて観たオペラはR.シュトラウスの「エレクトラ」でした。下調べもせず、音楽留学生から立ち見席のことを聞いて、まず飛び込んだ劇場でやっていた演目が「エレクトラ」。真っ暗な舞台。登場人物も少なく、内容もよくわから […]

モーツアルト「魔笛」

音楽評論を読むとこの「魔笛」の筋書きには、当時モーツアルトが関わった秘密結社なる存在もあるのですが、そんなことを気にせずに観た「魔笛」は音楽や舞台装置、衣裳のデザインがとても楽しく、おそらく5年間のウィーン滞在生活のうち […]