ウイーン回想から始まる1年
2010年 1月 2日 土曜日
昨夜、NHK番組からウィンナーワルツが流れてきました。恒例のオーストリア国営放送局が衛星で流している「ウイーン・ニューイヤーコンサート」の模様です。自分は毎年この時期にこの番組をブログで取り上げています。理由は1980年から85年までウイーンにいて、当時は立ち見でこのコンサートを聴きに行っていたからです。ウイーン国立美術アカデミーに在籍していた自分は、日本の旅行社に依頼されてチケットをとるアルバイトをしたことがあるのです。生活の足しにやっていたことでしたが、自分も大晦日は国立歌劇場でJ・シュトラウスのオペラ「こうもり」を立ち見で観て、元旦は楽友協会でのコンサートにこれも立ち見で聴いていました。コンサートが終わると室内を飾っていた花々を適当にもらって帰って、自分の下宿に飾っていました。美しい旋律に聞き惚れながら、明日のパンを気にする毎日でしたが、当時は時間がいっぱいあって心は充実していたように感じられます。楽友協会(ムジークフェアライン)はクラシックを聴くのに、大き過ぎず小さ過ぎず、ちょうどいい空間でした。そこでは音楽がまろやかに聴こえていたことは素人の自分にもよくわかりました。最初は室内装飾の美しさに眼を奪われましたが、そのうち音楽の虜になって装飾は眼に入らなくなりました。そんな音楽体験が忘れられず、毎年この衛星放送に釘付けになってしまうのです。
関連する投稿
- ウィーンからの懐かしいメール 1980年から85年となれば、今を遡ること30年前になります。オーストリアの首都ウィーンは地下鉄の交通網がシュタットバーン(市街電車)に取って代わろうとしていました。そんな頃に自分は市街から遠い10 […]
- クラシック音楽を聴く機会 20代の頃にオーストリアの首都ウィーンに住んで、リング(環状道路)沿いにある国立歌劇場に毎晩通っていました…と、書くと自分はいかにも文化意識が高く、経済的にも恵まれた、どちらかと言えば鼻持ちならない […]
- ウィーンに思いを馳せる日 昨晩NHKのTV番組からウィンナーワルツが流れてきました。恒例のオーストリア国営放送によるニューイヤーコンサートの模様を衛星で伝えていたのでした。1980年から85年までの5年間、自分はウィーンにい […]
- オペラ盛況の中で ウィーン国立歌劇場の立ち見席で何度もオペラを観るうち、歌唱の巧みさがわかってきました。観客は正直なもので、実力派歌手が出演するオペラは立ち見席の窓口に長い列ができました。歌劇場を一回り以上の長蛇の列 […]
- 喪中葉書を受け取って… この時季になると喪中葉書が送られてきます。自分の年齢を鑑みると、本人ではなく、その関係者が多いのですが、たまに親交の厚かった本人であったりすると残念でなりません。自分が世話になった人が亡くなり、喪中 […]
Tags: ウィーン, 留学, 音楽
The entry 'ウイーン回想から始まる1年' was posted
on 1月 2nd, 2010
and last modified on 1月 30th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.