「青騎士」よりドローネー評
2007年 7月 26日 木曜日
R・ドローネーはフランスの画家で、カンデインスキーと同じく抽象絵画の開拓者の一人です。「青騎士」にも参加し、同誌にブッセによる評論が載せられています。「外的な自然の模倣的再現を避け、それを自然の潜在的な法則のみを再現する要素によって置き換える試みが、着手された形成過程を論理的に継続するものとしてあらわれる」と書かれています。自然をただ再現して描かず、そこに法則を見つけて描くというわけです。ドローネーの「エッフェル塔」はとくに有名な作品で、見えたものを再構成したような画風です。「都市」をテーマにした作品にも理念の視覚化が見られます。これはキュビズムの影響を受けた「オルフィズム」といわれる画家のグループに入っています。自分も現代社会において、「都市」の視覚化(触覚化)を考える作家の端くれとして、ドローネーが理念を探し求め続けたこと、その過程に注目しています。 Yutaka Aihara.com
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Tags: 作品, 画家
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