ホルスト・ヤンセン展の回想
2007年 7月 13日 金曜日
ドイツの現代画家ホルスト・ヤンセンを知ったのは、自分がウィーンに滞在していた頃でした。当時手に入れた図録を見ると、1982年4月1日から5月2日までウィーンのアルベルテイーナ美術館でヤンセンの個展があって、そこで印象が脳裏に焼きついたようです。その記憶は定かではありませんが、ある地点からずっとヤンセンの版画や素描に親しんできたので、個展にいつごろ行ったものやらすっかり忘れてしまっているのです。ただドイツ語の図録を読むことはしなかったので、ヤンセンの生い立ちや絵を取り巻く評論等には頓着せずに今まできました。ヤンセンの数多い自画像が醜くもあり、シャープなようでもあり、何故か心を捉えて離さない魅力があって、以来ずっと注目しています。むしろヤンセンその人を知らずに、いきなり絵を見たことで、より強烈に心に響いた画家と言った方がいいかもしれません。鉛筆による素描がE・シーレにも似て、また構成が北斎にも似て、昔から慣れ親しんでいるようでもあり、新しくもあり、ともかく不思議な表現の虜になってしまうのです。 Yutaka Aihara.com
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Tags: ウィーン, 個展, 展覧会, 画家
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