直弧紋 模写による追体験
2013年 9月 10日 火曜日
今月のRECORDは初日より直弧紋に拘り続けています。最初の1点目は井寺古墳出土の直弧紋の模写をRECORDに描き写しました。古墳の図版から見てRECORD用紙と縦横の割合が違うので、そこは用紙に合うように割合を変えました。用紙に渦巻紋を描いて、そこにX印をつけて、太古の人々がどのように抽象化をしていったのか追体験をしました。2点目から発展を考えて、自分なりの直弧紋をデザインしてみました。分割した面積が模写と同じになるようにして抽象的美しさを追求し、曲線と直線のバランスを考えました。遍く20世紀抽象絵画を知る自分でさえ直弧紋のアレンジには苦しみました。直弧紋を作った人々の斬新な感覚には驚きます。色面を反転させている箇所もあって、その微妙な割合に考え抜かれた美しさがあります。キュビズムというより構成主義に近い計算された美的要素があります。直弧紋模写の追体験は今日で10日間に及びますが、オリジナルを超える難しさに立ち向かいながら、21世紀に生きる自分が直弧紋から何かを掴もうとしているのです。
関連する投稿
- 6月RECORDは「流転の因」 雨が降れば河川が氾濫し、豪雨ともなれば逆巻く波に家屋が呑み込まれていく場面を何度となく最近の報道で見ています。梅雨の季節になれば水害による悲惨な状況をつい考えてしまうのは私だけではないはずです。梅雨 […]
- 11月RECORDは「黄」 今年のRECORDは色彩をテーマにしてやってきています。今年は残すところあと2ヶ月で、漸く色彩のテーマを終えることが出来ます。11月に「黄」を選んだのは、まさに工房の周囲の木々が紅葉していて、窓から […]
- 4月RECORDは「乱舞する群れ」 春一番に限らず、この季節は風の強い日が多いと感じます。満開の桜の花びらが風に舞っている様子を見て、今月のRECORDのテーマを思いつきました。「乱舞する群れ」は花びらだけではなく、人間のイメージもあ […]
- 週末 陶彫制作&横浜の展覧会 週末になりましたが、昨日まで夏季休暇を取っていて、休暇中から陶彫制作を継続してやっています。今日も身体がおかしくなりそうなほど気温が上がり、この体感は体温に近づいていると思いました。工房は野外とほと […]
- 10月RECORDは「茶」 今年のRECORDは年間テーマとして色彩を取り上げ、毎月一色を選んでデザインを考案してきました。色彩は漢字一文字として和洋どちらの色彩でも可としました。10ヶ月間を振り返ってみると、私は西洋の色彩よ […]
Tags: RECORD, 画家
The entry '直弧紋 模写による追体験' was posted
on 9月 10th, 2013
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.