「縄文の音」を読み始める

先日まで読んでいた書籍で縄紋文化に興味が出てきて、次なる書籍を探そうとしていたところ、自宅の書棚に以前購入した「縄文の音」(土取利行著 青土社)を見つけ、これを読むことにしました。いつ購入したものか忘れていますが、まだ読んでいないことだけは確かです。「縄文の音」では「縄紋」の表記を「縄文」にしているので、これからは「縄文」という文字を使います。縄文時代には優れた造形美術が発掘されていますが、音楽や演劇、宗教行事に関しても優れていただろうことは想像がつきます。人が演じる媒体だけに記録が残っていないというだけで、残存している美術だけが突出していたとは考えにくいのです。本書に描かれる音響の再現を通じて古代に思いを馳せてみたいと思います。著者は打楽器奏者で考古学者ではありません。学者の協力を得て実際の音に触れる機会があると思います。縄文人の心を知るには、学術的な研究だけではなく、芸術芸能に携わる人がその知識や感覚を駆使して臨むのが良いのではないかと思います。通勤時間帯の読書が楽しみです。

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