4月RECORDは「乱舞する群れ」

春一番に限らず、この季節は風の強い日が多いと感じます。満開の桜の花びらが風に舞っている様子を見て、今月のRECORDのテーマを思いつきました。「乱舞する群れ」は花びらだけではなく、人間のイメージもあって、例えば画家アンリ・マティスが描いた「ダンス」もそのひとつです。20代の頃、旅したルーマニアやギリシャの民族舞踊も記憶にあり、その躍動感に心を奪われたことを思い出しました。私は映像でしか知らないアフリカの始原的な民族舞踊も興味があります。それらを象徴して記号化するのも面白いのではないかと思っています。乱舞には風に舞う自然現象もあれば、人が紡ぎだす楽曲に合わせて踊る要素もあります。最近はコロナ渦の影響もあって、劇場で舞踏を観る機会がなくなりました。コロナ渦が落ち着けば、暗黒舞踏の流れを汲む集団による舞踏を観に行きたいと思っています。学生時代はアンダーグランド演劇と併行して、私は暗黒舞踏にも出かけました。世代的には土方巽以降の舞踏家がやっていましたが、肉体言語と化した表現に彫刻の空間解釈に通じる世界を見取っていました。今月のテーマを考えているうちに、昔の記憶を手繰り寄せてしまいましたが、RECORDのテーマは1ヵ月分の展開があるので、さまざまなバリエーションを試すことが出来ます。そこがRECORDの長所でもあるのです。この4月から創作活動一本になったことで、RECORDのイメージを膨らませるのには都合が良くなりました。ただ、今月に入って陶彫制作に先走ってしまい、RECORDは下書きのみが先行する悪癖が出てしまっています。イメージの蓄積は日々やっているので、あとは時間をどうにか作って制作をするだけですが、公務員をやっていた頃よりは気分的に解放されているので、すぐ挽回できるだろうと思っています。

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