週末 第2ステーション制作

新作の陶彫作品は、屏風と床の双方を使って表現するもので、そこに陶彫部品が数多く設置される集合彫刻です。先月から床置きになる陶彫部品を作っていて、蒲鉾型の部品を連結させて網のように床を這っていくイメージを私は持っています。その這っていく根茎のような部品の中に、中心となる集合体が2箇所あります。それを私はステーションと呼ぶことにしました。一つ目の第1ステーションは4個の陶彫部品で構成しています。既に4個とも成形と彫り込み加飾を終えて、乾燥を待っている最中です。先日から第2ステーションを作り始めていますが、第2ステーションは10個の陶彫部品で構成する予定です。第1ステーションよりやや低めに設定しており、部品のサイズも小さめです。今日は朝から工房に篭り、第2ステーションの2個目の陶彫部品の成形を行いました。成形は陶土を立体にしていくので、私にとって最高に楽しい作業で無我夢中になって取り組んでしまう工程ですが、迫り来る台風の影響なのか今日は湿度が高く、いつもより汗が噴出してきました。シャツと頭に巻いた手ぬぐいを2回替え、それでも滴る汗を止めることが出来ませんでした。今日は朝から若いスタッフが2人来ていて、それぞれの課題に取り組んでいましたが、各人の体調を考えて昼ごろには近隣にあるファミリーレストランに涼を取りに行きました。9月に入ってもこの暑さには辟易しています。陶土の乾燥が早いため表面があっという間に硬くなり、彫り込み加飾がやり難くなります。加飾が終わらなければ、濡らした布を作品にかけて、さらにビニールで包まないと、次の週末までいい具合に陶土を保つことが出来ません。他の素材に比べると陶彫制作は陶土の管理が大変です。制作工程の最後に焼成があるため、陶土の乾燥具合を常にコントロールしなければならないのです。木彫や石彫を扱う作家は多いのに陶彫を扱う作家が少ないのは、こうした陶土の管理に問題があるのではないかと思うところです。ただし、最後に窯に入れて上手く焼きあがった時の喜びは格別で、陶彫は鎧を身につけた戦士のようになって私の手許に戻ってくるのです。それが味わいたくて、面倒な工程を粛々とやっているようなものです。今日は夕方4時に工房を後にして、スタッフを車で送りました。秋の涼しさが待ち遠しいこの頃です。

関連する投稿

  • 週末 彫刻の視点を考える 週末になりました。朝から雨模様の肌寒い一日でした。急に秋がやってきた感覚があって、加えてウィークディの疲労も相俟って身体が重く、一日を通して緩慢な動きになってしまいました。朝8時から午後3時までの7 […]
  • 代休 成形&加飾&焼成 今日は休日出勤日の代休で、貴重な一日になりました。朝8時から昨日準備したタタラを使って、4点目の根の陶彫部品の成形を行ないました。4点目の成形は約3時間かかりました。その次に前に作っておいた3点目の […]
  • GW② 「突景」3点目の陶彫制作 テーブル彫刻「発掘~突景~」はテーブルの上に3点の陶彫部品を置く計画で、昨日から3点目の陶彫制作に入っています。3点目の陶彫部品は一番小さなサイズで、テーブルの真ん中に置く予定です。成形から彫り込み […]
  • 春の宵 いざ工房へ 工房のロフト拡張工事を請け負っている鉄工業者から連絡が入り、夜6時過ぎに天井の寸法を再度測りに来るというので、私は勤務時間終了後に工房に行きました。桜が咲いて春爛漫な季節ですが、夜はまだ冷えるため、 […]
  • 週末 陶彫加飾&お礼状宛名印刷 今日は朝から工房に篭りました。昨日の午後作業するはずだった成形の最終的な詰めを朝のうちにやりました。陶彫成形の内側から紐状にした陶土を貼りつけて補強をした後、表側から板で叩いて形を整えます。形は立体 […]

Comments are closed.