週末 彫刻の視点を考える
2020年 9月 26日 土曜日
週末になりました。朝から雨模様の肌寒い一日でした。急に秋がやってきた感覚があって、加えてウィークディの疲労も相俟って身体が重く、一日を通して緩慢な動きになってしまいました。朝8時から午後3時までの7時間を工房で過ごし、新作の彫り込み加飾と残っていた陶土でタタラを数枚作りました。作業は毎回やっているものばかりで、手馴れたものでしたが、既に出来上がった陶彫部品が10点になり、厚板材による土台の一部も床にあったため、全体の配置やら構成をぼんやり考えて始めました。私の彫刻は床置きなので、高さや幅や奥行きを鑑賞者側の視点になって考えていくことがあります。とくに見る人の身長によって眼の高さが異なるため、立体の見え方は人によって変化があります。架空都市の風景を俯瞰させる場合に、それぞれの陶彫部品をどのくらいの高さに設定するか、林立する直方体をどう配置するのか、成人と子どもでは多少視点が違い、それによって与えられる印象も異なってきます。たった1点で見せていく彫刻作品ならば、それほど意識しない見え方が、集合彫刻として床に複数配置して、しかも場を設定する私の作品は、さまざまな条件によって作品の様子が異なってくるのです。撮影の時、カメラマンが脚立を使って上部から撮影した画像と、床に這い蹲って撮影した画像では、同じ作品とは思えない変化があります。もうひとつは陶彫部品と陶彫部品の狭間を眼で散歩する鑑賞方法もあります。それは個展の際にある鑑賞者から指摘されたことで、私自身が気づかされました。言わば私の集合彫刻はパノラマとして床に広がっているので、そんな遊び心を擽るのかもしれません。そんなことを考えながら、一日の作業ノルマをこなしていました。明日は11点目の成形になります。
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Tags: 個展, 写真家, 工房, 彫刻, 陶土, 陶彫
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on 9月 26th, 2020
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