神の死に纏わる雑感
2014年 4月 16日 水曜日
ニーチェが言う神の死を自分はどう捉えたらいいのでしょうか。宗教は人類が創造した偉大なる精神文化で、とりわけキリスト教は人間を超えた存在を神として畏怖しつつ、人が創った神を逆転の発想として、神によって人が創られたとしました。それによって罪深き人々に救済の思想が与えられました。人々が一定の道徳観念をもって、より良く生きるための方策が聖書にまとめられていて、人が心惑う時に聖書を紐解いて、心を安らかに保つ教えをそこに見いだすと私は思っています。私自身はキリスト教徒ではありませんが、その宗教の意図するところは解ります。東洋人であってもキリスト教信者が多くいる現状の理解として、キリスト教が地域性を超えて国際的な視野を獲得したものと理解しています。そこにニーチェの神の死という思想が持ち込まれました。宗教を生活の中心に据える敬虔な信者にしてみれば、驚くべき発想であったと察します。茫洋たる東洋の神秘思想に比べると、西欧の宗教は理に適う思想であって、ニーチェもまた哲学を持ってキリスト教に対峙しています。日本人としてそこに若干の違和感と学術的面白さを感じます。
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Tags: ドイツ, 書籍
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