輪廻転生と永劫回帰

「ツァラトストラかく語りき」(ニーチェ著 竹山道雄訳 新潮社)下巻を読み始めて戸惑うところは、ニーチェ晩年の思想である永劫回帰です。自分には今ひとつ永劫回帰がわからないのです。永劫回帰は、輪廻転生の西欧的解釈と私は思っていましたが、どうやらまるで違う思想であることがわかりました。輪廻転生とは、生きとし生きるものは、生と死を繰り返し、仮に魂があるとして、その魂が新たな生命体に乗り移るという思想です。自分が死んだらどうなるのかという問いに、肉体は死んでも魂は次の生命体に宿るという思想で、哲学というより宗教に絡んだもので、R・シュタイナーの思想に同じものがあったように記憶しています。これは私にも理解できるし、死後そうなるかもしれないと思っているところが私にはあるのです。では、永劫回帰とは何であるかという問いに、自分は未だイメージを構築することができません。1回生の連続ということが事典にありました。今パソコンに向かっている自分が同じ時間に同じ動作で繰り返されるというループがあって、それを肯定する思想というのが永劫回帰だというのです。「ツァラトストラかく語りき」は永劫回帰をどのように説明しているのか、果たして自分に永劫回帰が理解できるのか、ちょっと楽しみなところがあります。

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