壁と床の一体化を考える

現在制作中の「発掘~地殻~」は、屏風として展示することを考えていますが、加えて屏風の前にも床置きの陶彫部品を作ります。壁になる陶彫・木彫部品と床に置かれる陶彫部品を一体化して作品を完成する予定です。自分は壁と床を使って空間を演出する展示は初めてです。床から壁に立ち上がっていく空間の繋ぎとなる陶彫部品も考えていて、近々成形に入ります。床置きの陶彫部品は、以前制作した「発掘~瓦礫~」や「発掘~楼閣~」と同じく配置はその場で考える自由なものです。置く場所によって配置を変える方法は集合彫刻だから出来る方法です。ひとつの作品で壁と床を使う展示方法は新しいものではありません。造形作品に限らずディスプレイやステージデザインでもよく見られます。「発掘~地殻~」は生命体が床を畝って屏風(壁)に這い上がっていくところを作り出そうとしています。また逆に壁から床へ行動範囲を広げようとしているとも取れる表現です。解釈は鑑賞される側に任せますが、旧作にないドラマ性のある世界にしようと思っています。陶彫制作が佳境を迎える中で、表現の拡大を図ったものとして頑張ってみようと思います。

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