京都 旧交を温める
2007年 8月 25日 土曜日
今月9日に「益子・笠間 旧交を温める」というブログがあります。笠間に住んで陶芸をやっている友人との関わりを書いたものです。今回は京都編。京都には20数年来の友人である渡辺聖仁・広子ご夫妻が住んでいます。聖仁さんは木版画をやっていて、滞欧中に知り合って意気投合した作家です。人柄の良さばかりではなく、彼の真摯な制作姿勢は見習うところがありました。聖仁さんの木版画は、全体的には詩情溢れる画風ですが、情緒に流されることなく画面全体を堅牢な構成が貫き、引き締まった印象を与えます。とくにヨーロッパの街並みを純粋な色面構成に至るまで抽象化した作品は、木版画のしっとりした風合いに対照的なモチーフをぶつけて、ドライでモダンな世界を表現しています。長いウィーン生活で培ったものが深く押さえこんだ色彩として、またメリハリの効いた構成要素として表れ、それが彼のユニークな世界を作っているのだと感じます。23日は渡辺ご夫妻に会えたことで自分も元気をもらった貴重なひとときでした。聖仁さんの木版画は「ギャラリーあおい(名古屋)」のHPで見ることができます。 Yutaka Aihara.com
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Tags: ウィーン, ギャラリー, 作品, 制作
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