神聖なる戦争の意味するところ
2014年 2月 28日 金曜日
「よき理由は戦争をすら神聖ならしめる、と。しかし、われはいう、よき戦争はいかなる理由をも神聖ならしむる、と。戦争と勇気とは、隣人の愛よりも大事業を成就してきた。従来、災厄に陥った者を救い出したものは、なんじらの同情にあらず、なんじらの果敢であった。」これは「ツァラトストラかく語りき」(ニーチェ著 竹山道雄訳 新潮社)に論じられている「戦争と戦士」に関する抜粋です。神聖なる戦争とは何か、それは実際の戦争を意味するものか、それとも形而上のものなのか、よく理解できません。訳者の解説に次のような文章がありました。「多く議論されるように、これらの言葉が純粋に精神的領域に於ける闘争に関してのみ言われたのか、あるいは現実の戦争に関して言われたのか、にわかに決め難い。いずれにしても、この戦いのための戦い、新鮮なよろこばしい戦闘的勇気を正義以上の至上の位置におくという傾向は、古代以来ゲルマン人の性格であり、また現代に及ぼしたニーチェの影響のおそるべく破壊的な半面であることは『ニーチェ自身の主張は高貴な意義のものであるとするも』現実の事実として否定できない。」これを読むとドイツが第二次世界大戦で行った恐るべき虐殺行為が重なってしまいます。ドイツ人には元来そんな気質があるのでしょうか。われわれ日本人も戦争と言う異常事態で隣国に対し残虐な行為を行った事実があります。実際の戦争で言えば、戦争に神聖なるものは絶対に存在しないと自分は考えます。
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Tags: ドイツ, 書籍
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