週末 梱包準備

先日、個展の図録用の写真撮影が終わり、出品する作品をいよいよ梱包していく作業に入りました。週末のNOTE(ブログ)には週末だけの内容に限らず、この1週間の制作状況も書いていこうと思っていて、撮影後の作品の補填について触れていきます。まず20点で構成する円形土台ですが、表面の砂マチエールと油絵の具が固まったので、裏面の塗装に入りました。展示には見えない部分ですが、防腐効果も含めて塗装していくのです。20点もあると時間がかかり、数日間も費やしてしまいました。「発掘~盤景~」の土台と「構築~視座~」に関しては、作業用ビニールシートにエアキャップを貼り付けて、それぞれの部品を包むようにしています。素材は木なので、エアキャップで物が当たる衝撃を抑えているのです。「発掘~盤景~」の陶彫部品は木箱を作って部品ごとに収めていきます。どのくらいの木箱が必要なのか、その都度ベニア板と垂木をカットしながら木箱を増やしていこうと思っています。毎年私は梱包には時間をかけています。作品は早々売れるものではないし、個展の後も相原工房の倉庫で保存していくため、作品を小分けにして保管がやり易いようにしているのです。ここ2,3年前の作品からロフトに上げて保管しています。リフトに乗せて中2階に上げるのですが、これにも手間がかかります。彫刻は重量があるし、場所をとるし、時間もかかるので厄介な表現方法と言わざるを得ません。画家やデザイナーに比べて彫刻家が極めて少ない理由がここにあります。それでも先日見に行った「イサム・ノグチ 発見の道」展を思い返すと、空間造形の魅力に抗うことなど出来ずに、心底惹かれてしまうのです。作品に照明が当てられ、床に陰影が落ちると、ゾクゾクするのは私だけではないはずです。空間を支配する実材の存在感があればこそ、厄介な表現方法でも受け入れてしまうのだと思っています。梱包は退屈な作業で、それでもやらなければならない作業ですが、明日から工夫をして梱包を続けたいと思います。

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