週末 新作は直方体が基本

今日は朝から工房に篭りました。新作の3点目の陶彫部品の成形を行ないました。現在は床から立つ直方体を作っています。比較的大きめな直方体を立ち上げましたが、今後は大小さまざまな直方体を考えています。大きめな直方体は2段目も作ろうと思っています。積み木のように陶彫部品を積んでいく予定です。高層ビルが並び立つ状況がイメージにあります。その土台となるものは厚板材を加工して作るつもりです。厚板材は昨日、建材店で購入してきましたが、そのうち追加購入もあります。新作の出発点としては、まだまだ先が見えず、今のところは陶彫部品をひとつずつ作りながら、これでいいのかどうか確認しているところです。頭の中に設計図はあっても、彫刻は素材感を伴うので実体として目に見えるリアルがないと判断が出来ません。アナログの極めつけの世界とでも言いましょうか。私が存在とは何かを問う哲学に惹かれるのはこんなところにあるのかもしれません。今まで曲面を有する陶彫部品を作り続けてきましたが、直方体も面白いなぁと思うようになりました。曲面形態は動物的であったり、植物的な動きが出て、全体として有機的な生命体を印象づけました。今回は直方体が基本となるので、今までのような動きは表現できません。陶の醍醐味は曲面にあると今までの私は考えていたので、これはちょっとした挑戦になるのです。直方体なら金属でも制作可能です。それを敢えて陶で表すのにはそれなりの理由があります。それは定規で引くハードエッジな線や面ではなく、あくまでも人の手によって作り上げる、真っ直ぐな線や平たい面から得られる微妙な歪みや緊張感なのです。人の手が及ばない焼成がある陶彫を使って、何も幾何形体を作ることはないのではないかと思われるところですが、私は彫刻を魂の産物と捉えている古風な作り手なので、人の手で何とかモノにしたいと思っているのです。今日は梅雨明けの夏空が広がり、工房は蒸し風呂のような暑さになりました。毎週来ている美大受験生もいました。夕方、暑さに耐えた彼女を車で家まで送っていきました。

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