「建築とは何か 藤森照信の言葉」を読み始める
2020年 11月 25日 水曜日
「建築とは何か 藤森照信の言葉」(藤森照信他著者多数 エクスナレッジ)を読み始めました。建築史家であり、自らも建築家としてさまざまな建造物を設計している藤森照信氏の言葉を集めた書籍を、私は楽しみながら読んでいこうと思います。私が藤森氏の建築を最初に見たのはテレビに映し出された「高過庵」でした。ツリーハウス?と思いましたが、生木を使うことに建築家は興味がなく、全て人工物であることで、建築というモノつくりの楽しさを感じました。2本の細工なしの木材が建ち、その上に茶室があり、その空中に存在する住居の意外さが面白いと思いました。親戚の住む東京の郊外に、たまたま屋根にニラが生えている不思議な住宅を見つけ、それが尊敬する故赤瀬川源平氏の自宅で、しかも設計したのが藤森氏と知って、さらに驚きました。「ニラハウス」は、外見を何回か拝見しただけですが、建築家とはモダンな高層建築をやる人という私の概念が崩れ、自分の創作活動を刺激する素材が使われていることにも注目していました。私の興味関心を決定的なものにしたのは「浜松市立秋野不矩美術館」を見に行った時でした。当館の外見は土と板塀で砦のように見え、内部は漆喰と黒く焼いた梁があって、おおよそ日本画家の美術館らしかぬ雰囲気を漂わせていました。これはインド風景を得意とした秋野不矩ワールドに合わせた設計で、裸足で入館し、寝転がって鑑賞するのも独特なスタイルでした。この空間は何とも心地よく、建築素材が自分の好みに合っていて、私自身の創作意欲が擽られました。木材を焼いて展示する発想は私にもあります。私の作品の中にも陶彫と組み合わせて焼いた木材を使っています。それは陶と木材を火炎に共通させることで作品の一体化を図った試みでした。感覚的に自分に近いと私が勝手に思っている藤森氏の著作からは良い刺激をいただけるものと信じています。
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Tags: 創作, 書籍, 木材, 画家
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