「レオニー・ギルモア」を読み始める

「レオニー・ギルモア」(エドワード・マークス著 羽田美也子 田村七重 中地幸訳 彩流社)を読み始めました。副題に「イサム・ノグチの母の生涯」とあって、現在読んでいる「石を聴く」(ヘイデン・ヘレーラ著 北代美和子訳 みすず書房)に連動する書籍になります。現在の私の読書はイサム・ノグチ一色になってしまっていて、ちょうど自分の新作が佳境を迎えている最中のため、これが格好な発奮剤になるのではないかと期待をしています。本書「レオニー・ギルモア」は新しく購入したものではなく、書棚の整理をしていた時に見つけた蔵書でした。いつ購入したものか忘れてしまいましたが、関連した書籍ではイサム・ノグチ本人の著作による「エッセイ」も見つけました。これも追々読んでいく予定です。本書の前書きでこんな一文に気が留まりました。「彼女の人生の大半は、詩人である夫ヨネ・野口と、より有名な彫刻家である息子イサム・ノグチを支える役割に徹してきた感がある。~略~ニューヨークのロウアー・イーストサイドの貧しい家で生まれたにもかかわらず、エリートのシンボルであるブリンマー大学やソルボンヌ大学で教育を受け、日本人詩人ヨネ・野口と結婚しようと決心した時には内なる人種差別への葛藤と戦い、外国の地でシングル・マザーとして孤軍奮闘しながら、息子を20世紀の第一級の彫刻家へと妥協を許さない態度で導いたのである。芸術家の母というものは、その子の発達の段階において、決定的な役割を果たしているものだ。」本書はレオニー・ギルモア本人が日々の記録を得意としなかったために、親友に宛てた夥しい数の手紙の資料を基に構成されたようです。イサム・ノグチの生涯はもちろんのこと、特異な環境にあったその母にも私は興味があって、「石を聴く」共々本書を楽しんで読んでいこうと思っています。

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