週末 テーブル彫刻制作継続

今日も朝から工房に出かけました。自宅はリフォーム工事のクロス貼りが入っていて、家具は壁際から真ん中に移動し、収納されている荷物が外に出してあるため、足の踏み場もない混雑ぶりです。家内は荷物の断捨離をコツコツ始めていて、私は後ろ髪を引かれながら工房に行ってしまいます。整理を手伝わなければならないところを申し訳ない気持ちでいっぱいです。毎回ゴミが大量に出て、ゴミ袋が玄関に積まれています。実は新作の制作工程も余裕がないので、工房に行っても私はゆっくり休めないのです。昨日に続き、今日もテーブル彫刻の上に置く陶彫部品の成形を行っていました。陶彫部品は2点目になります。三角形を基にした造形ですが、素材が陶土のために定規で引いたような面にならないところがつらいと思っています。ただし、彫刻は工学的な計算に基づく建築や土木ではないので鋭角に見えればそれで可としています。幾何形体を芸術作品に持ち込んだのは、余分な要素を削ぎ落とした簡潔化の極みのようなもので、それが人間の視覚や触覚に与える美的秩序を示したものではないかと思うのです。幾何形体を美しいと感じるのは私だけではないはずです。高校時代にモンドリアンの絵画を見て、誰でも出来そうなこんな単純な絵画がどうして価値があるのか、その時は表層的な疑問を持ちましたが、あの単純さに辿り着くまでに画家が試行錯誤したことを考えれば、一概に単純とは言い切れないものを感じました。歴代の巨匠とは比べものになりませんが、私も人体塑造から出発して建築的な構成に造形が移行していったのは、同じ理由があってのことでした。私はまだ彫刻の概念を捨てきれないので、形態の簡潔化に留まっていますが、前時代的なオブジェを後生大事に作っているとも言えます。とにかく陶彫部品は2点立ち上がりました。今日はさらに乾燥が進んだ陶彫部品3点に仕上げと化粧掛けを施して、夕方窯に入れました。順調に進んでいるように見えますが、今後の制作工程を考えると苦しいのです。明日は久しぶりに職場に出勤します。

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