立体の在り方を決める成形
2014年 1月 12日 日曜日
三連休の中日にあたる今日は成形を主に行いました。陶彫の成形では、タタラや紐作りで均一の厚みにした陶土を立ち上げていきます。陶芸のようにロクロを回してカタチを立ち上げることはしませんが、便宜上ロクロを利用することもあります。これは彫刻の塑造と同一であって、言わば立体の在り方を決めていくのです。塑造は心棒に粘土をつけて、中心から膨らませてカタチを決めていきますが、陶彫の成形は窯で焼成するため、立体の内部を無垢にはできず、刳り抜いた状態になっているのです。作り方の違いはどうであれ、どちらも立体を作ることには変わりありません。これは陶彫にあっては唯一彫刻制作に近い作業なので、興味が沸くところではあります。そんなわけで今日の作業は神経を使いながら、自分の思い通りのカタチにしていく工程でした。面白い反面、疲れもあって、大きな成形を2点行って今日の作業に幕を引きました。予定ではこの後、土錬機を回すはずでしたが、もう気持ちがついていかず、明日に持ち越しになりました。自分がやっているのは陶彫という技法を用いた彫刻であるため、どんな立体を作るのかを一番に考えます。立体の在り方が重要なのです。陶彫は彫り込み加飾をしたり、仕上げをして化粧掛けをしたり、焼成もやっていきますが、基本は成形でどんな立体にしていくのかが作品を左右するものと考えています。今日は僅か2点の成形でしたが、朝から夕方まで休みなく作業をしました。明日は土錬機を回して土練りを行い、次の成形に備えます。
関連する投稿
- 「作陶への取り組みの第一歩」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第2章 最初の陶器(1886秋~1887初頭)」に今日から入ります。今回は「1 […]
- 窯出しの夜に思うこと 月曜日の夕方に新作第1号となる大きめの陶彫部品を窯に入れました。毎年やっている制作工程最後の作業ですが、同じ作業にも関わらず毎回緊張をしてしまいます。3日間陶彫部品を窯に入れ放しにして、今晩窯出しを […]
- 週末 立体を作っている実感 今日は朝から工房に篭って陶彫成形を行いました。大きなタタラを立ち上げ、紐状にした陶土で補強しながら立体にしていきます。今年の新作は陶彫部品それぞれを直方体にしていくのが基本形態です。重さで歪まないよ […]
- 週末制作 陶土に追われる 陶土に追われるとはどういうことか、毎週末の制作で実感していて、今日も例外ではなかったので今日はこの話題にしました。陶彫はもちろん陶芸の場合も同じですが、土の乾燥による制作工程の順序があります。陶土が […]
- 土が石化するとき 陶彫で作品を作っていると避けて通れない最後の作業工程があります。陶彫作品の仕上げとして陶土の作品は窯に入れられて高温で焼成される工程です。自分の作品は釉薬をかけずに焼き締めていく方法をとっています。 […]
Tags: 彫刻, 陶土, 陶彫, 陶芸
The entry '立体の在り方を決める成形' was posted
on 1月 12th, 2014
and last modified on 1月 13th, 2014 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.