どこまで修整が許せるか…
2012年 10月 5日 金曜日
どこまで修整が許せるか、これは作品制作における素材が意図に反して起こすアクシデントのことです。自分の制作を突き詰めていく修整(修正)のことではありません。たとえば木彫における木材の裂け目、石彫における石材の割れ目、自分の場合で考えると陶彫におけるヒビ割れ等々が挙げられます。仕上げの緻密さを競う工芸的な造形では、少しのアクシデントも許されず「キズもの」として扱われます。彫刻の場合はどうでしょうか。作家によって、また造形意図によって、これは様々で多少キズがあっても表現したいものが揺ぎ無いものであれば、それで可とする作家もいます。自分もその一人です。陶芸の踏み込んだ技法研究が足りないせいもあるかもしれませんが、自分は陶彫で表現したい世界観が失われなければヒビは修整していきます。2回目の窯出しでもヒビ割れ箇所がありました。全体のカタチが大きく歪んだり、壊滅的な割れ方をしなければ自分では許せる範囲と思っています。新作はこれから木彫に取り掛かるので、木材の修整許容範囲も考えていかなければなりません。
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