コトバのもつ曖昧と明快
2011年 1月 25日 火曜日
日本人である自分は日本語で思考したり、感情を表現したりしています。単純な伝達ならば外国語でも可能ですが、感情の機微となると、外国語と母国語の間に温度差が生じます。日本語特有の表現に、日本的趣向や詩情が表れるのは自然なことです。コトバは曖昧さを持っていて、その曖昧さも外国語と母国語の間に差異があると思います。どんなに論理的に話題を進めてもその曖昧さから逃れることはできないと感じることがあり、その曖昧さも日本語特有の曖昧さで、外国語のそれとは若干の違いがあると考えます。翻訳された論文がどんなに優れたものでもしっくりこないのはそのせいかもしれません。もちろん自分の読み解きが甘いせいもあろうかとは思いますが…。論理的な曖昧さとは別に日本人である自分には、日本語特有の感情表現を明快に理解できることがあります。それは心象、というか気分が一緒と言った方がピッタリくる現象で、コトバのワンフレーズに全てが理解できてしまうのです。自分が詩を意識するのは、そんな傾向があるからだと思います。
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