民俗学と仮面について

九州の土俗面を考察する書籍を読み始めて、自分が興味を持っている仮面についての書籍を、今まで一度も読んだことがなかったことを思い出し、改めて自分の興味に関する学術的な裏付けが欲しいと思いました。昔から仮面を集めているのに、何故民俗学に気持ちが向かなかったのか我ながら不思議です。自分の母校には民俗学者宮本常一の流れを汲む相沢韶男教授がいて、私は講義を取っていました。当時私は良好な学生ではなかったのですが、その後、相沢先生一家とはオーストリアで再会し、ウィーンの仮住まいで相沢先生の論法ともいうべき相沢流民俗学に惹き込まれていきました。こんなにも民俗学が身近であったにも関わらず、仮面に関しては学術的関心を示さなかった自分を恥じています。仮面のことを造形的興味だけではなく、もっと多角的に知りたいと、最近遅ればせながら考えるようになりました。

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