新鮮さを呼び覚ます遊び心
2020年 5月 25日 月曜日
昨晩、週末の制作疲れでぐったりしてテレビを見ていたら、ベテラン染色家の制作風景と作品が映し出されて、ハッと新鮮さを感じました。NHK日曜美術館で取上げられていたのは現在97歳の柚木沙弥郎氏。前に一度放映されていたものも含まれていて、その時も私は見ていましたが、私の気分的なものなのか、その時よりも昨晩の方が感覚に直に訴えてくるものがありました。松本市美術館での展覧会が、新型コロナウイルス感染症のため開催中止になったので、そのこともあってテレビで会場の映像を流していたのでしたが、相変わらず斬新な世界観に私はつい魅せられてしまいました。嘗て私は東京駒場にある日本民藝館で開催された「柚木沙弥郎展」を見に行ったこともあります。日本民藝館の和風の空間に柚木沙弥郎ワールドはとてもマッチしていて、民族的な造形と簡潔で抽象的な造形が織りなす布が、私に新たな感動を齎せてくれました。私はアフリカの仮面を初めとする民族的な造形が大好きです。泥染めされたアフリカの布は我が家にもあります。柚木沙弥郎ワールドはそんな土俗性とモダンデザインを合わせ持つのです。柚木沙弥郎氏の南米のおもちゃのコレクションや食事風景も楽しく拝見しました。野菜サラダと葡萄パンの食事。大胆な型紙のカット場面。とても老齢とは思えない造形感覚に、私も負けてはいられないと思った次第です。新鮮さを呼び覚ます遊び心は、アーティストは常に持っていなければならないと思っています。余裕がなくなっていた私の心に、ポッと明かりが灯ったようなひと時でした。
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Tags: 仮面, 制作, 展覧会, 芸術家
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