「火の神・山の神」を読み始める

「火の神・山の神 九州の土俗面考【1】」(高見乾司著 海鳥社)を読み始めました。ずい分前に大分県湯布院にあった由布院空想の森美術館(2001年閉館)に行ったことがあります。その時に見た土俗面の数々に感銘を受けました。展示は白壁にたっぷり空間をとって土俗面ひとつひとつがクローズアップされるように演出されていました。その展示方法にも魅かれました。自分は仮面が大好きで、民俗的な見地からではなく造形的な興味本位で集めています。自分が集めているモノなど由布院空想の森美術館のコレクションに比べれば取るに足りないモノばかりですが、仮面が放つ魅力は自分を虜にして離してくれません。そんな空想の森美術館を設立された著者の思いを、収集した土俗面を通して知りたいと思いました。本書をどこで購入したものか自分は忘れていて、ずっと自宅の書棚に眠っていたものを今回引っぱり出してきました。また、著者は民俗学者ではなく画家のようで美術的な視点からも興味が尽きません。通勤時間がまたまた楽しくなりそうです。

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