キリムの魅力
2007年 2月 26日 月曜日
イスタンブールに着いた初日に手に入れたキリムはかなり大きくて、これを巻いてリュックの上に括りつけて行動することになりました。数ヶ月の旅を考えると重荷でした。もともとキリムは遊牧民のものなので、野宿もできると思いつつ、色彩と文様が織り成す土産に心が躍りました。買ったキリムは自然染料と化学染料が両方使われているようで、自然染料の部分が古く、そこに化学染料で修復したものです。アンテイックなものはかなり鑑定が難しくて数多く接しないと判断できません。それより自分の美意識に頼り、色彩や文様が好きになったものを買うのがいいと思います。自分が買ったキリムは紅色と黄緑の補色があって、パウル・クレーの抽象絵画のような印象です。文様も幾何的なカタチがモザイクのように続くのですが、修復のせいか途中で色彩が変わり、不思議なグラデーションがあります。完璧なものというより、継接ぎだらけの面白さに溢れています。骨董価値のある工芸品として見るより、アートとして見た方が楽しいし、生活雑貨として使ってこそ心が豊かになると思います。
関連する投稿
- 「神と人を求めた芸術家」 表題はドイツの近代彫刻家エルンスト・バルラハのことを取り上げた「バルラハ~神と人を求めた芸術家~」(小塩節著 […]
- トイレという名の快適空間 ヨーロッパ各国からトルコへ旅した時に、便器のカタチが国によって変化していくのを見て、その国の人々の生活や文化をトイレを窓口にして語れるのではないかと思ったことがあります。洋式と和式が違うように、国に […]
- ドイツ映画「メトロポリス」 フリッツ・ラング監督の残した近未来映画で、現在でもレンタルビデオショップにあります。昨日のブログに書いた「カリガリ博士の箱」と同じドイツ表現主義を代表する映像作品です。20数年前に滞在したウィーンの […]
- アールヌーボー様式 ドイツ語ではユーゲントステイールと言っていました。20世紀初頭に流行した美術様式で、建築から工芸品にいたるまで、それとわかるフォルムをしています。植物の葉・茎や蔦の曲線をデザインに取り入れて、自然に […]
- ウィーン分離派と邦人建築家 ウィーン分離派は、自分にとってどのようなものかを考えてみると、予備知識もないままウィーンに住んで初めて知った革新的な芸術運動で、その美的なるものに感動を覚えたのが分離派でした。現代は芸術の捉え方、表 […]
Tags: カタチ, 散策, 留学
The entry 'キリムの魅力' was posted
on 2月 26th, 2007
and last modified on 1月 8th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.