アールヌーボー様式

ドイツ語ではユーゲントステイールと言っていました。20世紀初頭に流行した美術様式で、建築から工芸品にいたるまで、それとわかるフォルムをしています。植物の葉・茎や蔦の曲線をデザインに取り入れて、自然に独特な解釈を加えて優美なカタチを創っています。ウィーンにはそれらユーゲントステイール様式の建築物や工芸品がたくさんあって、研究者でなくても興味をそそられました。エミール・ガレやルネ・ラリックの製品を買えない留学生としては書物だけはたくさん手に入れてきました。そのうち当時の何人かの作家に注目するようになりました。同じように見える様式美の中でも、やはり個性的な作品が生まれていたのかと改めて思い返しています。

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