「陶」という素材
2009年 5月 14日 木曜日
「陶」は語りつくせないほど思い入れのある素材です。彫刻を学び始めた20代初めから興味関心がありました。塑造を石膏で型を取り、そこに新たな石膏を流し込み、型を割って石膏として作品を残す方法に、当時はずっと疑問を持っていました。何とか粘土の状態で作品を保存できないものかと考え始めた時に、粘土を高温で焼いて石化させる陶芸は、そんな思いに応えるのに十分な技法でした。でも陶芸のことを何も知らず、作品を窯に入れてもことごとく割れて随分落ち込みました。でもどうしようもないくらい「陶」の魅力にとりつかれていて、何度もチャレンジしました。そもそも土肌が大好きで、縄文や弥生土器にプリミティブな力を感じていたので、自分の心に芽生え始めたイメージを何とか「陶」でやってみたいと思っていたのです。土から生まれる造形。人間が始めて無形な素材から作り出す喜びを味わったであろう造形。そんな「陶」とは一生をかけて付き合っていくのだと改めて思っています。 Yutaka Aihara.com
関連する投稿
- 21’図録の完成 5月30日に個展用の図録を作るための撮影を行い、今日新しい図録1000部が自宅に届きました。図録は16冊目になりますが、毎回同じサイズ、頁数で作っています。図録は前頁カラー版で正方形の冊子になります […]
- 個展案内状の宛名印刷 今月の19日から始まる私の16回目の個展。今年も東京銀座のギャラリーせいほうで開催します。先日、案内状が1500部出来上がってきたので、ギャラリーには1000部持参しました。私からは私の友人や知人に […]
- 7月RECORDは「揺らぐ楼閣」 RECORDは一日1点ずつ制作していく小さな平面作品で、2007年から制作を開始しています。一日1点というのはなかなか厳しいノルマで、その日がどんな状況であれ、必ず制作をしていくのです。毎年テーマを […]
- 21’個展図録の色稿と案内状印刷 来月の個展に関する図録の色稿が出来上がってきました。今度の個展で16回目になりますが、図録に関しては1回目から同じ大きさ、同じ頁数で作っています。案内状(DM)は1500部印刷されて手元に届きました […]
- 「 《オヴィリ》1・2」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第5章 タヒチ滞在(1891~1893年)とパリ帰還(1893~1895年)」の「3 […]
Tags: 作品
The entry '「陶」という素材' was posted
on 5月 14th, 2009
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.