7月RECORDは「揺らぐ楼閣」

RECORDは一日1点ずつ制作していく小さな平面作品で、2007年から制作を開始しています。一日1点というのはなかなか厳しいノルマで、その日がどんな状況であれ、必ず制作をしていくのです。毎年テーマを決めてやっていますが、今年は年間テーマを設定していません。ただし、月間テーマを決めていて、その時の時事問題やら季節やら内面的なものでも何かしら心に引っ掛かるものを選んでいます。今月は「揺らぐ楼閣」にしました。楼閣とは高層化された建造物を指していますが、砂上の楼閣と言うコトバがある通り、崩れやすい砂の上に建てられた建物は、外見は立派だが、長く維持できないもので、例えば実現不可能なことにも使われます。私は最近、自分が頑張ってきたキャリア形成が、自分で考えているほど万全ではないのではないかと思うようになりました。自分が数十年やってきたことは砂上の楼閣ではなかったか、創作活動はそれを自分に知らしめる最大のもので、自分のちっぽけな存在を顕在化して見せるものなのです。社会的地位が組織の力量によって護られてきたことは、決して自己判断力等がもつ生身の実力ではないとさえ思うようになって、私は組織力の上に胡坐をかいてきたのではないかと疑心暗鬼になることも暫しあります。そう考えると今まで培ってきた自己肯定感が揺らぎそうですが、自分の立ち位置をもう一度振り返って、確実な一歩を踏み出すことが、改めて自己を知る契機になると考えています。「揺らぐ楼閣」はそんな私の心情を表現してみたいと思って、今月から始めているのです。日々制作している作品なので、大それた事を考えても小さくまとまってしまうこともありますが、それでも今月は「揺らぐ楼閣」をテーマにやっていきます。

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