テーブル彫刻「発掘~曲景~」について
2019年 4月 25日 木曜日
現在制作中のテーブル彫刻に題名をつけました。昨年発表したテーブル彫刻は「発掘~角景~」で、ピラミッド型の陶彫部品をテーブルの下に逆さまにして吊り下げた作品でした。ピラミッド型の陶彫部品には曲面はなく、すべて平らな面で仕上げていたので、今年の作品とはまるで異なります。今年の作品の陶彫部品は、すべて曲がった面で仕上げています。鋭角な部分はどこにもありません。そこで題名を「発掘~曲景~」にしたのです。私はあえて題名を単純で分かりやすいものにしています。そこに詩的なイメージや思索はありません。昨年の「発掘~角景~」と違う部分はまだあります。昨年はテーブル上部には陶彫部品を置きませんでした。テーブルの下に吊るすだけにしたのでした。今年発表する「発掘~曲景~」はテーブルの上下に陶彫部品が接合します。上下で関連した造形になります。前述したとおり陶彫部品は曲面ばかりなので、全体としては丸い形態になります。テーブルの上下にあった方が丸さが強調されるのではないかと考えたため、上下に設置することにしたのでした。テーブルの脚も曲面を使っています。これは柱を木彫していますが、部分的に膨らんだり、細く削り取ったりして、たっぷり彫刻の要素を盛り込んでいます。感覚的な捉えを楽しみつつ作業をしています。今までは造形を制御することが多かったので、時には自由に彫り進んでいくのもいいなぁと思っています。私の作品世界はこのままどんどん曲面を多用し流動的になっていくとは思えず、どこかで振り戻しがあると考えますが、今年に限っては大きな作品である「発掘~双景~」にしても、テーブル彫刻「発掘~曲景~」にしても曲面を全面に出した作品になろうかと思います。テーブル彫刻「発掘~曲景~」はゴールデンウィーク中の完成を目指します。
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