週末 土曜日は緩やかに…

今週は出張の多い1週間でした。やはり土曜日はウィークディの疲れが出ているようで、身体が思うように動きません。朝から工房に篭りましたが、緩やかな制作になっています。今日はここまでやろうとした計画を見直しながら、明日に期待をかけています。集中力も今ひとつで、陶彫成形をやりながら、いろいろなことが頭に浮かびます。陶彫部品を組み合わせる集合彫刻は、同じ単体はありません。カタチを僅かに変えることで複雑な表層を求めていますが、焼成を同じ時間と温度にして全体が統一できるようにしてあります。つまり、制作工程にはシステマティックにするところと創作を加えるところがあって、作業の退屈さを避けられるようにしてあるのです。多少集中力を欠いても制作を進められる職人的な工程があるおかげで、最近疲労が気になる土曜日には創作への圧迫感のない作業をしているという現状があります。制作中に脳裏を掠めるのは、今日のような疲れが出ている時、大抵過去への振り返りが多いと感じています。過去から現在に至るまで彫刻を作り続けていくことに、たとえ過去を振り返っても不満はありません。ただし、彫刻家としての在り方に自分なりの理想があって、現行の制作は理想とは程遠いものなのです。自分にはやり残していることが多いと感じていて、たとえば学生時代の4年間に何故いろいろな表現や技法に手を出そうとしなかったのか、無駄にした時間が多すぎたのではないか、現在は公務員との二束の草鞋生活の中で、懸命に個展の準備に取り掛かっているのに、過去の自分の怠慢を嘆いているわけです。過去多くの時間を無駄に過ごしたおかげで、現在の表現があるとも考えていますが、制作の休憩時間にふと眠ってしまうと、その隙間に現れる夢遊感覚の中では覚醒時の理屈は通りません。フロイトの「夢解釈」で言われていることは本当だと妙に納得してしまう自分がいます。工房に出入りしている若いアーティストたちは制作を重ね、発表の機会も多く、物思いに耽ったり、立ち止まることをしません。羨ましい限りですが、息切れしないよう祈るばかりです。そんなことを思いつつ、土曜日の緩やかな制作工程が過ぎていきました。明日は頑張ります。

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