「インドの仏」展

先週「みちのくの仏像」展に言った際に、東京国立博物館の同じ敷地内にある「表慶館」で開催されている「インドの仏」展を見てきました。所蔵品はコルカタ・インド博物館から来たようです。ゴータマ・ブッダ(釈迦)の生涯を、自分はほとんど知りません。日本の仏像が好きな自分にとっては、その源流とも言うべきインド仏教を学ぶ必要を感じています。釈迦がどんな生涯を送り、いつ頃悟りに達し、やがて仏陀となり、悟りを広めることに成功した原因は何か、大乗仏教とは何を意味するのか、一宗教に傾倒しなくても思想としての仏教を捉えることが出来るはずです。その思想があってこその仏教美術なので、表象だけで考えるのではなく、その由来や意味するところを解明したいと自分は思っています。ただし、今回は無学ながら感覚を頼りにして仏教美術を堪能してきました。インドの仏像の顔がギリシャ美術に近いことに興味が湧いて、シルクロードの交易が少なからずあったことや、洋の東西が出会う場面を空想するだけで心が躍ります。図録をしっかり読み込んでインド仏教美術に思いを馳せたいと考えます。洋の東西が交わるところを一度は訪れたい願望がありますが、現在そこはテロ集団による危険地帯が含まれていて、文化が受け継がれてきた地域をこの眼で見られない残念さが頭を過ぎります。

関連する投稿

  • 上野の「国宝 鳥獣戯画のすべて」展 緊急事態宣言が東京に出された時は、上野の東京国立博物館で開催中だった「国宝 […]
  • 新作完成の5月を振り返る 今日で5月が終わります。今月は個展図録用の写真撮影が昨日あったために、これに間に合わせるために夢中になって制作に明け暮れた1ヶ月だったと言えます。31日間のうち工房に行かなかった日は2日だけで、29 […]
  • 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
  • 彫刻家として… 4月になりました。昨日は管理職退職辞令交付式に参加して、私の公務員人生にピリオドを打ちました。今まで職種を隠してきましたが、同じ職種の方々がこのNOTE(ブログ)をご覧になっていることもあり、今にな […]
  • 東京の展覧会を巡った一日 今日は工房での作業は止めて、家内と東京にある美術館に出かけました。コロナ渦の影響で最近ではネットによる予約が一般的になっていて、入館時間も決められています。今日は2つの美術館、3つの展覧会を巡りまし […]

Comments are closed.