新作完成の5月を振り返る

今日で5月が終わります。今月は個展図録用の写真撮影が昨日あったために、これに間に合わせるために夢中になって制作に明け暮れた1ヶ月だったと言えます。31日間のうち工房に行かなかった日は2日だけで、29日間は朝から夕方まで工房に通っていました。3月末まで続いた校長職との二足の草鞋生活が解消されて、自由時間が確保できていたにも関わらず、どうしてこんなに余裕が持てなかったのか、自分でも解せないまま過ごしていました。ともあれ新作「発掘~盤景~」と「構築~視座~」と陶紋4点は何とかカタチになって撮影が出来ました。例年なら新しい印を彫って作品の裏側に貼り付けているのですが、それも出来ないまま撮影日を迎えたことがちょっと残念でした。先月から一日のルーティンが出来上がり、あたかも職場に勤務しているかのように工房に出かけ、時に焦りながら制作に没頭していました。私が20代の頃から夢見た創作活動一本の生活が見え始め、そうした生活に満足を覚えたことも事実で、作品完成に向かう焦りとは別に、大変実りの多い1ヶ月だったと振り返っています。今月は東京都に緊急事態宣言が出されていて、不要不急の外出を控えていたため、気楽な散策も出来ず、また多くの美術館が休館していたために鑑賞に訪れることもなく、映画館にも足を運びませんでした。もっとも前述の通り今月は制作で余裕がなかったのは確かですが、美術館や映画館に行って鑑賞することが、心に豊潤となる何かを与え、またリフレッシュするために大切な機会だということがよく分かりました。来月こそは鑑賞に出かけたいと思っています。一日1点制作をノルマとしているRECORDは、下書きが山積する悪癖が出てしまい、これも焦りを感じております。彫刻の撮影のことばかりが頭の中を巡っていたので、今月のRECORDは雑な下書きばかりが残っています。来月は何とかRECORDも頑張っていきたいと願っています。読書はゴールデンウィーク中に仏像に関する書籍を読み漁り、その後はポスト印象派の芸術家ゴーギャンの立体に関する書籍を読んでいて毎晩楽しく読書時間を過ごしています。ゴーギャンを彫刻家として見なした書籍は、なかなか面白い視点で描かれていて、博士論文としても説得力のあるものです。私が制作の要にしている陶彫は、実はゴーギャンが試作していた事実を知って、ちょっと驚きました。これは来月も継続して読んでいきます。

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