時間性と空間性の関係
2014年 11月 19日 水曜日
現在読んでいる「存在と時間 Ⅲ 」(マルティン・ハイデガー著 原佑・渡邊二郎訳 中央公論新社)に時間性と空間性に関する記述があります。「たとえ『時間性』という表現が、『空間と時間』と言うときに時間として了解されているものを意味するのでないとしても、しかし空間性もまた、時間性と同様に、それ相応の現存在の根本規定性をなしているように思われる。~略~われわれが現存在と名づけるこの存在者は、並列的に、『時間的』であると『ともにまた』空間的であるとみなされざるをえないように思われる。~略~本質上頽落しつつ時間性は、現成化することのうちへと自己喪失しており、配慮的に気遣われた道具的存在者にもとづいて配視的に、おのれを了解するばかりではない。それどころか、そうした時間性は、現成化することがそうした道具的存在者のもとで現存しつつあるものとして不断に突きあたる当のものから、つまり、空間的な諸関係から、了解において一般に了解されまた解釈されうるものを分節するための諸手引きを引き出すことまでも行うのである。」長い引用になりましたが、時間性と空間性の関係を論じている箇所を選びました。現存在にとっては時間性と空間性は対峙するものではなく根本規定としては並列する要素だと述べられています。抽出した論理だけではなかなかニュアンスは伝わりませんが、両者は分け隔てることではないという考察がありました。
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Tags: ドイツ, 書籍
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