週末 新作の雛型作り

来年の個展に向けて新作に取り組んでいますが、地を這うカタチは順調に進んでいます。もうひとつの塔を形作る集合彫刻は、構造体になる木組みを考えなければならず、紙で雛型を作ってから取り組むことにしました。雛型は簡単なものにしようと思います。構造だけ把握できればいいので雛型に凝ることはしません。雛型は雛型として展示可能な作品になると自分は思いますが、今回作る雛型はあくまでも制作メモのようなものとして考えるつもりです。ただ、時間があれば凝った雛型を作りたいと以前から思っていて、雛型を中心にした立体造形小品展を将来やってみたいのです。大きくした作品をイメージしながら作る雛型の楽しさ。自分勝手な広場の設計や街路に置かれた幻想的な造形を満喫できる雛型の楽しさ。今日雛型を作り、そこから材料を割り出し、そろそろ実作に入りたいと考えて、雛型は10分の1サイズで作りました。紙で斜めになった長細い台形をいくつも作り、それを部品として円錐状に取り囲む構造にして、円錐の先端は敢えて作らないイメージにしました。絵画で描かれたバベルの塔のように塔建設を中断した状況を作ろうとしているのです。雛型から割り出した厚板は16枚あります。実寸の厚板材は当然乗用車では運べず、店でトラックを借りることにしました。ギャラリーへの搬入を考えると台形の板材16点は分解できるようにしようと思います。それぞれの厚板に陶彫部品をボルトナットで接合していく予定です。いよいよ塔の制作に動き出しました。

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