西洋の没落「都市と民族と」そのⅢ
2012年 9月 7日 金曜日
「西洋の没落」(O.シュペングラー著 村松正俊訳 五月書房)の第二巻を読んでいます。第2章「都市と民族と」のそのⅢとした副題は「原始民族、文化民族、フェラッハ民族」です。部分的な引用をいたします。「土着住民は決定的な多数となって~略~弱者が故郷を失うことが問題となる。かれらは自己を防衛しなければならないか、それとも新しい土地を獲得しなければならない。空間はもう一杯になっている。どんな種族も、あらゆる側面とたえず接触しないでは生きられないし、いつでも気を配って抵抗しようとする用意をしないでは生きられない。戦争という苛酷な必然は男を訓育する。民族は民族に接触、対抗しつつ内的偉大さにまで成長する。武器は人間に対する武器となり、動物に対するものでなくなる。」「(民族)の形態学の本質が認められるやいなや、歴史の民族の流れのなかに内的秩序が発見される。民族とは、言語的単位でも、政治的単位でも、動物的単位でもなく、魂的単位である。」この章では、民族の世界史的視野による移動や興亡が書かれています。点在していた原始民族が、現在の民族に落ち着くまでの考察が述べられていて、理論の奥行の深さを感じながら読み解きました。
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