週末 陶彫の彫り込み
2012年 8月 5日 日曜日
今日は青空に入道雲が浮かんだ真夏らしい一日です。朝から工房に篭り、大型扇風機を回しながら制作に汗を流しました。今日は新作の陶彫成形を1点行いましたが、前に成形が終わっている数点の作品の加飾もやりました。加飾は陶土の表面にニードルでデッサンをして、かき出しベラや木ベラを使って凹凸をつけていく、いわば彫り込みです。成形された曲面に浮き彫りを施し、微妙な角度を作っていくのです。これも成形と同じ自分の内面から現れるカタチで、心の動きを通して凹凸を考えていきます。たとえ凹凸に幾何形体が現れても成形された全体から見ると、自分の感覚により全体の中で有効に収まるようにしています。陶彫は焼成によっても歪むことがあり、カタチの捉えは感覚的にならざるを得ません。図面上に表せないのが陶彫の有機的形体で、金属や石材のように完全な幾何形体になり得ない特徴があります。それでも自分には純粋な抽象に近づきたい欲求があります。空間の中に存在する強固な造形はシンプルな場合が多く、自分の建築的な嗜好も相俟って、収縮したり歪んだりする不安定な陶彫に抽象化した面を持ち込もうとしています。彫り込みにしても建築化・抽象化への憧れがあります。今日も汗を滴らせながら、朝から夕方まで土塗れになっていました。
関連する投稿
- 成形に明け暮れた代休日 土曜出勤の代休として今日休みを取りました。今日は朝から工房に籠もって制作でした。陶彫による大きい四角錘、つまりピラミッドのカタチを昨日から作っているのです。だいたい初めの1点目で難行するものですが、 […]
- 週末 陶彫制作に没頭 今日は週末なので朝から工房にいました。ただし、この1週間は仕事から帰ると工房に出かけ、2時間程度制作をやっていました。日によっては1時間が限界という時もありました。その制作の流れのまま週末を迎え、今 […]
- 週末 猛暑の工房 このところ連日猛暑が続いています。今日も朝から30度を上回り、空調のない工房は大変な暑さに見舞われました。じっとしていても汗が流れる蒸し風呂状態の工房で、座布団大のタタラを数枚作り、RECORDの彩 […]
- 週末 加飾に明け暮れる 昨日成形したドーム型陶彫部品に今日は朝から加飾を行いました。彫り込みを入れたり、穴を空けたりする作業をやっていると、これが作品化する上で一番面白みがある作業ではないかと思えます。生乾きの陶土の上に針 […]
- 週末 イメージの昇華 新作のための陶彫部品を作り始めました。昨日と違ってほんの少しばかり気温が低いのが救いでした。美大生ら3名の子たちもそれぞれの制作に勤しみ、相変わらず工房に真剣な空気が流れていました。自分の作っている […]
Tags: カタチ, 作品, 制作, 工房, 陶土, 陶彫
The entry '週末 陶彫の彫り込み' was posted
on 8月 5th, 2012
and last modified on 8月 5th, 2012 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.