週末 加飾に明け暮れる

昨日成形したドーム型陶彫部品に今日は朝から加飾を行いました。彫り込みを入れたり、穴を空けたりする作業をやっていると、これが作品化する上で一番面白みがある作業ではないかと思えます。生乾きの陶土の上に針でカタチを描き、鉄ベラや掻き出しベラで凹凸をつけていきます。小さな木ベラで表面を整理し、乾燥した後でヤスリをかけます。成形が立体的な作業だとすれば、今日の作業は平面的な作業です。立体の中に凹凸の浮き彫りがバランスよくおさまれば心地よい陶彫になります。立体と平面は分離したものではなく作品の中に一体化され、さらに一つの部品として大きな世界の中で、在るべきものが在るべきところに在るという成り立ちを感じれば集合彫刻として成功をするわけです。木を見て森を見ず、森を見て木を見ず、にならぬように細部に注意を払いながら、それが大きな世界を形成する要素として役割を与えていくのです。実際の部分に関わる作業は、まだ全体を考えず当初のイメージによるエスキースを信じてやっていますが、部品が出来上がってくるに従って全体を考慮しなければならなくなります。今日の作業はまだまだ部分でしかありませんが、これが今年の冬頃には全体の中でどんな位置を占めるのか見えてきます。加飾に明け暮れた一日でしたが、こうした労働の蓄積がやがて大きな世界に結びつくと信じてやっていました。

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