ジャスパー・ジョーンズの素顔
2010年 2月 19日 金曜日
これは私だけが感じることなのかもしれませんが、アメリカの現代美術の旗手は、誰でもカリスマ的風貌を持っていると信じて疑いません。アンディ・ウォーホルの風貌から受ける偏った印象でしょうか。それともジャクソン・ポロックの派手な制作風景の印象でしょうか。ジャスパー・ジョーンズの作品から受ける印象も同じです。ダーツの標的やアメリカの国旗等を題材にして、ネオ・ダダやポップ・アートの先駆的な作品は、世界的に知られる存在です。絵画でありながら従来の絵画性を否定した作品は、学生だった自分を刺激しました。絵画自体が「もの」であり、平面的なオブジェを作っていると考えれば、容易く理解はできるのですが、何か近づき難い雰囲気を感じていました。ドアノー写真集「芸術家たちの肖像」に登場するジャスパー・ジョーンズは、とても人間臭い表情をしています。作品を作っている時の眉間に皺を寄せる気難しい表情。版画工房で見せる屈託の無い笑顔。カメラはその人の一瞬の仕草を捉えて、人となりを浮き彫りにしているかのようです。ジャスパー・ジョーンズを身近に感じることのできる写真です。
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