原点としての「粗い石」

このブログを書き始めた頃に読んでいたブイヨン著「粗い石」。これの感想を2年前にブログに載せています。そこで再び「粗い石」です。再読を重ね、名も無き修道士たちのル・トロネ修道院建造にかかる話は、何度読んでも面白く、また自分の仕事を原点に戻すことができます。昨日の若林奮「100粒の雨滴」における「労働の時間」の表現とも通じるものがあって、坦々とした日常の中で、多くの時間を費やし何かカタチあるものを作らんとする人間の強固な意志は、自分が自分を見失いかけた時にふと気づくことでもあります。短絡的な楽しみより、遠い彼方を見つめて歩き出す楽しみが頭をもたげてきます。自己満足的なことかもしれませんが、自分にとってどんな価値を持つのか、自分が自分を肯定して生きるための手段・方法でもあると認識を新たにさせてくれるものが「粗い石」だと思います。      Yutaka Aihara.com

関連する投稿

  • 週末 土練り&彫り込み加飾 やっと週末になりました。今週はウィークディの仕事の休憩時間を使って、論理学の書籍を読み続け、NOTE(ブログ)に読んだ箇所の引用文章を毎晩掲載していました。よく読み込むと難解と思われるところも意外に […]
  • 週末 8月の終わりに… ちょうど日曜日が8月の最終日になりました。今月を振り返ると、大きかったのはアンコール遺跡を訪ねてカンボジアに行ったことでした。遺跡を見に外国へ行く楽しさを満喫しました。元気なうちにまたどこかの遺跡を […]
  • 建築家等からの意見・感想② 「建築とは何か 藤森照信の言葉」(藤森照信他著者多数 […]
  • 2013年 HPによる総括 2013年の大晦日を迎えました。今年はどんな1年間だったろうと振り返ってみると、自分にとって幸福と思える素敵な1年間だったと思っています。まず、自分を含めて家族が健康に過ごせたこと、周囲に大きな事故 […]
  • 天使について 今月のRECORDのテーマにした「天使」とは何か、キリスト教美術に疎い自分は一般的な画像の印象しか頭になく、天使の存在そのものを捉えておく必要があると思いました。事典を見てみると、天使とはユダヤ教、 […]

Comments are closed.