中島修展によせて
2006年 11月 24日 金曜日
自分が4月に個展をした銀座の「ギャラリーせいほう」で、中島さんが個展を開催しています。自分が滞欧中にお世話になった中島さんは大学の先輩にあたり、当時彫刻の手ほどきをしてくださった池田宗弘先生と同期です。池田先生は真鍮を素材にした詩的な風景を作っている、いわば具象。一方中島さんは黒御影石や大理石を素材に鋭利で簡潔な幾何形体を作っている抽象作家です。この2人が自分にとって圧倒的な影響力をもっている対極の師匠です。久しぶりに中島さんのまとまった作品を見て、カタチが白い空間の中にスクっと立つ緊張感に感動してしまいました。ギャラリーが広く見える、空気が張り詰めている、でも妙に心地よい空間。自分の個展の時、池田先生は中島さんの作品が頭にあったからこそ、お前はもっとカタチを削ぎ落として空間を練り上げろ、と自分に言ったのではないかと思い起こしました。この命がけで常軌を逸した仕事をしている人を自分は乗り越えられるだろうか、静かに緻密な位相空間を鬼気迫るように創出する師匠の前で、身震いした一日でした。
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Tags: カタチ, ギャラリー, 作品, 個展, 展覧会, 芸術家
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