好感持った「十二神将立像」

東京上野にある東京国立博物館で「みちのくの仏像」展を見てきました。昨日のNOTE(ブログ)に全体の感想を書きましたが、とりわけ私は「十二神将立像」4体に大変好感を持ちました。これは鎌倉時代に活躍した運慶を中心とした慶派による作品と思われますが、私は一見西欧風な肉付きがある慶派の作品に、学生時代に習作を繰り返した人体塑造に通じるものがあって、つい眼が留まってしまうのです。平安時代の仏像に見られる、穏やかでゆったりした曲線を持つ仏像とは、かなり趣が異なり、筋骨隆々とした写実的な表現に、解剖学的な正確さを見て取り、ミケランジェロのような量感に圧倒されてしまうのです。「十二神将立像」は山形県寒河江市の本山慈恩寺にあります。ここには藤原摂関家の荘園があった関係で、こうした当時としては最先端をいくような作品が花開いたと図録にありました。平安時代の丸みを帯びた仏像の多い中で、ひときわ目を引く「十二神将立像」でした。

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