好感持った「十二神将立像」
2015年 3月 25日 水曜日
東京上野にある東京国立博物館で「みちのくの仏像」展を見てきました。昨日のNOTE(ブログ)に全体の感想を書きましたが、とりわけ私は「十二神将立像」4体に大変好感を持ちました。これは鎌倉時代に活躍した運慶を中心とした慶派による作品と思われますが、私は一見西欧風な肉付きがある慶派の作品に、学生時代に習作を繰り返した人体塑造に通じるものがあって、つい眼が留まってしまうのです。平安時代の仏像に見られる、穏やかでゆったりした曲線を持つ仏像とは、かなり趣が異なり、筋骨隆々とした写実的な表現に、解剖学的な正確さを見て取り、ミケランジェロのような量感に圧倒されてしまうのです。「十二神将立像」は山形県寒河江市の本山慈恩寺にあります。ここには藤原摂関家の荘園があった関係で、こうした当時としては最先端をいくような作品が花開いたと図録にありました。平安時代の丸みを帯びた仏像の多い中で、ひときわ目を引く「十二神将立像」でした。
関連する投稿
- 牟礼の地に思いを馳せて… 東京都美術館で開催されている「イサム・ノグチ […]
- 平塚の「柳原義達展」 コロナ渦の影響で、最近は展覧会が閉幕するまで行こうかどうしようか迷っている傾向があり、また急遽思い立って展覧会に出かけるため、僅かな日程を残した状態でNOTE(ブログ)にアップすることが少なくありま […]
- 上野の「イサム・ノグチ 発見の道」展 先々週、家内と東京上野にある東京都美術館で開催中の「イサム・ノグチ […]
- 新作完成の5月を振り返る 今日で5月が終わります。今月は個展図録用の写真撮影が昨日あったために、これに間に合わせるために夢中になって制作に明け暮れた1ヶ月だったと言えます。31日間のうち工房に行かなかった日は2日だけで、29 […]
- 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
Tags: 展覧会, 彫刻
The entry '好感持った「十二神将立像」' was posted
on 3月 25th, 2015
and last modified on 3月 26th, 2015 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.