色鉛筆 表現の幅広さ

最近のRECORDに色鉛筆を多用しています。RECORDとは自分に課した一日1点作品を作るもので、大きさはポストカード大、机上で出来る小さな絵画と考えています。今までいろいろな技法を使いましたが、鉛筆で下書きし、アクリルガッシュで画面下地を作り、耐水性のペンでカタチを描き起こす方法が、自分にとって最もポピュラーな方法になっています。コラージュやドリッピングをさらに加えることもあります。このところほぼ出来上がった画面に色鉛筆を加えることで、ペンとは違う雰囲気を楽しんでいます。ペンは描画としての決定力があり、曖昧さを排除していく強さがあります。鉛筆下書きの迷いが払拭されて逞しいカタチに生まれ変わります。ただ、それが創作のすべてという訳ではなく、茫洋とした空気感や詩的情緒、抑揚の効いたモチーフが絡み合ってこそ、表現の深さに到達できるとも考えられます。色鉛筆はそんな表現によく合います。軽妙さも深さも表現できる幅広い描画用具だと言えます。これからもイメージによって用具を使い分けていこうと思います。

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