連なる壁のイメージ

「壁体彫刻」というコトバに誘発されて、壁が連なって空間を遮っているイメージが浮かんでいます。壁は一枚板ではなく、部分同士を連結したものであり、何か得体の知れない刻印がされています。それはメカニックな浮き彫りで、風雨に晒され摩滅している箇所もあります。頭にぼんやり浮かんだ形象のメモですが、それは壁というより空間をあらゆる角度で遮る「何か」と言った方がいいようなものです。こうしたイメージはどこからやってくるのでしょう。過去脳裏にすり込まれた「何か」が、ある日突然やってくるように思えます。連なる壁をイメージした時、「赤壁」や「街灯A・B」という、かつて作った作品が思い浮かんできました。連なる壁は、あるいはかつて作った作品の発展形として現れたものかもしれません。イメージを具体化するためには、いくつもの工程を経なければならず、作品になるのはずっと先になる可能性があります。自分の場合は技法上の問題をクリアして、ようやくイメージが固まってくるのです。

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