「ドイツ表現主義の誕生」から
2007年 7月 22日 日曜日
20数年前にドイツやオーストリアで生活し、表現主義の枠に括られる多くの画家や音楽家の遺産をこの目で見ておきながら、表現主義の何たるかを知らず、キルヒナーやノルデの絵画世界がもつ漠然としたイメージだけで表現主義が解っている気がしていました。実際はダダやシュールリアリズムのような「宣言」があったわけではないので、表現主義を限定するのは難しく、後期印象派のあたりから表現主義と呼ばれるようになったと思っています。早崎守俊著「ドイツ表現主義の誕生」を読んで、あらためて表現主義の初期の動きがわかりました。ヴォリンガー著「抽象と感情移入」を引用し、このゴシック芸術解明を書いたものが、表現主義というコトバのさきがけをなったと「ドイツ表現主義の誕生」では述べられています。さらにヴォリンガーが原始的な美に遡って論じていることも表現主義に通じることを示しています。恥ずかしいことに自分は20代で中途半端な知識しか持たずに渡欧し、実際の作品に接し、帰国してから文献を漁って、ようやく表現主義の何たるかに辿りついたようです。
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